紫×赤 ページ1
エイプリルフールのお話です
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紫side
朝起きたら、もう隣に彼の姿は無かった。
今日休みやのに、もう起きてったんか。早いな。
赤「あ、おはよう。」
紫「んん、おはよ、」
赤「ごめん、ちょっと大事な話あるからええ？」
紫「ええけど、」
なにやら、深刻そうな顔してる。
大事な話って、なんやろう？なんかあったんかな。
赤「あのな、別れて欲しいねん。」
紫「…へ、？」
赤「それだけ。ごめんな。」
紫「えっ、え、ちょっと待ってや、」
赤「何？」
俺を見る目が、冷めてる。
怖くなってしまって、なんて言おうとしたか忘れてしまった。
なんで、なんで。昨日までいっぱいイチャイチャしてたやん。
部屋を出ていこうとするしげの手を慌てて掴む。
紫「ややっ、や、まって、」
赤「やから何。」
紫「なんで、そんな急に別れるなんて言うん、」
赤「前から思ってたから。」
紫「へ、っ、でも、昨日は俺のこと好きやって、」
赤「ふはっ、嘘に決まってるやん。」
なんで、笑ってるん？
しげが部屋を出ていってしまった。
俺の、何があかんかったんやろう。
前から別れたいって思ってたって、いつから？
いつから、しげがくれる好きは嘘になってたんやろう。
俺は、まんまと騙されてたってこと？
しげと別れるなんて嫌で、なんかもう訳が分からへんくて、涙が溢れてくる。
紫「っ、ぐす、ひ、」
俺が泣いたら、すぐにしげは心配してそばに来てくれる。
くれてた、のに。
リビングに戻ってきたしげは俺に見向きもしない。
紫「っなんで、なんでっ、しげっ、」
しげに縋り付いても、俺の事を見てくれへん。
紫「なぁ、な、なんか言うてや、」
紫「なんでなんも教えてくれへんの、なぁ、俺嫌やで、別れたくない、」
どれだけしげに話しかけても、腕を引いても、身体を揺すっても、何も言うてくれへん。
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作者名：なか | 作成日時：2023年4月1日 22時
