７話 ページ8
．
トントンがナイフを弾き落とし
シャオロンがグルッペンの盾となる
2人がこちらを見る頃には私は走り出していた
窓をぶち壊して外に飛び出し
ガラス片と共に宙を舞った、浮遊感が体を襲う
ラッキーなことに下に大木があり無数の枝に
受け止められ、葉がクッション代わりになった
子供の頃、孤児院で木登りばかりしていたので
負傷していても簡単に降りることが出来た
地面に足を着いたとき激痛が走る
そういえば左の太ももを撃たれていた
気にしなければ忘れていたのに思い出した途端
ジンジンと熱をもって激しく痛み出す
「(…早く逃げなきゃ)」
足を引きずりながら歩き裏口に向かった
森の中に入ってしまえばこちらの勝ちだ
侵入者一人の為にわざわざ捜索しないだろう
そろそろ私を追いかけ外に軍人達が来るはず
追いつかれる前に森の中に入れば大丈夫だ！！
踏み出すたびに激痛が襲うが最後の足掻きだ
痛む体に喝を入れて走り出す
なんとか追いつかれる前に森に入る事が出来た
森に入ってからも奥深くへと進んで行く
枝に引っかかり軍帽が脱げ落ちるが気にしない
出血量が多く血圧が下がっているのか
体が震える程の寒さを感じ目眩がして視界が霞む
しばらく歩くと開けた場所に出た
そこの木に背中を預けて地面に座り込む
太陽の光りが当たりとても温かい
体温が下がっていたので丁度良かった
草が良い感じに柔らかくて座り心地が良い
「(このまま…)」
なんて考えが頭に浮かぶ
出血量も多いしきっと助からない
このままここに居たら私は安らかに眠れるはず
太陽の光りに照らされて温かく心地良い
次第に眠たくなって瞼が下がってきた
「(あのナイフ、使わなきゃよかったな…)」
グルッペンに向けて投げたナイフは
私が孤児院を出るときに貰った大切な物だ
私が育った孤児院では出ていく時に
施設のシンボルマークとその子の名前が
彫られてある特注のナイフをプレゼントされる
戦場に出る際もお守りとして常に持っていたし
あれを使う時は人生の終わりだけと決めていた
あのナイフは私の生きがいだった
最後まで後悔ばかり、思わず泣きそうになる
だけど、これで良かったんだ
自爆テロなんて馬鹿な真似しなくて良かった
命令された生き様じゃなく
最後は私のしたいことを出来たんだ
ついには痛みすら感じなくなって
体が動かずこれまでの記憶が映し出される
これが走馬灯か、と冷静に受け止め目を閉じた
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なんとなく(プロフ) - 琥珀糖さん» コメントありがとうございます。わざわざ教えて頂いて申し訳ないです…教えて頂いたサイトに確認して参ります。 (5月2日 20時) (
レス) id: 963a8785fe (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - なんとなくさん» 匿名R様とらう様ではなくすみせん。以前私も別サイトで同じような作品を見かけたことがありまして…。多分お二人様と同じものだとは思いますが…。プリ小説の、yukiさんという方の、「こんにちは、自爆テロしに来ました」だと思います。 (5月1日 22時) (レス) id: cf2e70fb38 (このIDを非表示/違反報告)
なんとなく(プロフ) - 匿名R様、らう様コメントありがとうございます。返信が遅れてすみません、現在自分は他のサイトでは活動しておらず宜しければそのサイト名を教えて頂けると助かります。 (2023年4月12日 18時) (レス) id: 963a8785fe (このIDを非表示/違反報告)
らう - 突然で申し訳ないんですけど、他のサイトにもこのような作品があるんですけど、主さん他のサイトでも活動していらっしゃるんですか? (2022年10月13日 15時) (レス) @page5 id: d093ea2b94 (このIDを非表示/違反報告)
匿名R - 初めまして、突然すみませんが別サイトにて似たような作品がありましたが、主様は別サイトでも活動などしておられますか…？ (2022年4月25日 19時) (レス) @page3 id: 368b9c4177 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんとなく
| 作成日時：2019年12月15日 17時
