【d!】叩けば良いのです

２２話．開戦 ページ24

．






それから数日後、他国との戦争が始まった


武力差は圧倒的で金をかけて
作成した新兵器など使用しなくても勝利は確定


なのだが…






グ「あの新兵器を早く使おう！」






まるで新しいおもちゃを与えられた
子供みたく今か今かと新兵器の出番を待っている






「新兵器なんて使わなくても勝てますけど…」


グ「折角作ったんだから使いたいだろう！」






大きな声を発して窓の外を眺めていた

その背中から溢れ出る高揚を
ひしひしと感じ、バレないようにため息を吐く






「(これ以上お金を使わないでほしいのに…)」






勝ち確の戦争なんだから
これ以上無駄な出費は避けて欲しいところだが






「次があればその時に使ったらどうです？」


グ「いいや、今回の内に性能を見てみたい」






お互いが中々引き下がらない






「しかし、これ以上出費すると赤字です」


グ「…だが、どうしても使ってみたいんだ！」






こちらを振り向いたグルッペンは
ムスッと頬を膨らませ拗ねたように地団駄を踏む






「(…まじであの新兵器ぶっ壊そうかな)」






砲弾の飛距離を計測し
威力などをメモするのは誰だと思っているんだ


総統はただ見てるだけでいいかもしれないけど


新兵器導入後のことを考えると
お金も無駄に使うしこちらに利益があまり無い






「(勝ち確の戦争で赤字って、恥かくわ)」






新兵器は世界各国に恐怖を植え付けるだろう

だがその代償が赤字、使用するにしてもリスキー






「今日は止めておきましょう、外も暗いので」






夕方になり日が傾き始めている
それを良いことに新兵器導入をなんとか避けた






グ「…そうだな」






一応納得はしたのか素直に小さく頷く






「では私は夕食の準備をして来ます」


グ「あぁ、ありがとう」






一礼してAが総統室を出ていくと
グルッペンは受話器を取ってある人物に電話した






グ「もしもし、そうです、はい」






淡々と話を進めていき、何度か笑う






グ「えぇ、お願いします、説得？無理ですよ」






扉の向こうへ視線を送り、苦笑した






グ「はい、では明日の昼ということで、はい」






わずか数分で電話を終えると
再びグルッペンは窓に近付いて外の景色を眺める






グ「明日か…」






楽しそうな笑みを浮かべ
何かを企んでいるような雰囲気が伝わってきた

明日、一体何が行われるのだろうか…

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