２４話．仕方ない ページ26
．
全力で廊下を駆け抜けてすぐさま自室に戻る
急いで部屋の扉を閉めると
力尽きてその場にしゃがみ込み深く息を吐いた
安堵した証拠にどっ、と背中に汗が滲む
「最後まじ危なかった…」
ト『ほんま焦った…』
まさかトントンを避けた瞬間を
見られているなんて、やっぱり幹部は侮れない
「(リラックスした瞬間だった…)」
最後まで緊張を緩ませてはいけないと学習する
ト『でもそれ以外では完璧やったで』
「顔に出さないように頑張りましたから」
トントンの名前が出た時は
心拍数が跳ね上がったが表情には出さなかった
我ながらポーカーフェイスが出来たことを喜ぶ
ト『それにしてもやっぱあいつら凄いな』
「一瞬でも気を緩ませたらダメみたいですね」
これからは外での会話を控えたほうが良さそうだ
ト『…あのメダルやばいんとちゃうんか？』
「あ、名誉勲章のメダルですか」
気になっていたのは名誉勲章のメダル
トントンの部屋に幹部が入って
引き出しを開けられたら今までの苦労が水の泡
かといって取りに行って見つかっても最悪だ
「なんとか誤魔化せませんかね？」
ト『簡単に誤魔化せるほど単純ちゃうで』
もし誤魔化したとしても疑惑は深まるばかり
ト『今日の夜辺り取りに行ったらどうや？』
「夜ですか…」
皆が寝静まった夜に取りに行くしかない
流石に幹部の人達も寝ているだろうし
外が明るい真昼間より暗い時間にしたほうが楽だ
「わかりました、バレたら面倒ですもんね」
覚悟を決めて今夜、トントンの部屋に向かおう
そして名誉勲章のメダルを持って帰り
大切に保管して元の体に戻れたら渡そうと考えた
ト『安心せぇ、俺もついて行くから』
「それは心強いです」
トントンが着いていったほうが
視野が広がるのでより周囲を警戒できるだろう
「それより、会議室の空気やばかったですね」
ト『せやろ、俺のこと話すと場が荒れるから』
戦場での事故は誰のせいでもないのに
トントンの話になると必ず言い争いになるらしい
ト『完璧に俺の不注意なんやけどな…』
「仕方ないです、爆発なんて予想できないし」
地雷ならば何とか探し当てられたが
突然の爆発なんてきっと誰も予想できないだろう
再び落ち込んでしまうトントンを言葉で慰めた
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るか(プロフ) - こんな神みたいな小説をありがとうございますすごく泣けました！！！！ (2022年10月26日 21時) (
レス) @page44 id: 8ee7b90455 (このIDを非表示/違反報告)
もみじ - ちょっと待って！？貴方様だったんですか！？なーちゃん！？…崇めます。うちの大好きな小説の作者様だったなんて…。この小説本当に好きです！！何回も読みました…！！tn氏の小説もっとください…。←(tn氏最推しの人) (2021年6月12日 3時) (レス) id: 55536975a6 (このIDを非表示/違反報告)
moz(プロフ) - 何周目か分かんないくらい読み込んでおります…！途中ヒヤヒヤするところで心拍数がぶち上がりました。神作者様の他の作品も読んできます〜！（追記ですがこの作品によく似た作品がありました。タイトルは 幽体離脱してた件 です。気のせいだったらすみません。） (2021年1月22日 18時) (レス) id: db48de9f7d (このIDを非表示/違反報告)
ハト - 神 (2020年12月8日 3時) (レス) id: f0bbbc5cbd (このIDを非表示/違反報告)
赤月奏楽 - 完結おめでとうございます！まだ二話くらいしか出ていなかった頃にこの作品を見つけて、ふと思い出してぶっ飛んできたら完結してました。途中はどうなるかとこちらもヒヤヒヤしましたが、最高の作品でした！神様ですね。神作品をありがとうございました！ (2020年11月22日 11時) (レス) id: 0a13c144ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんとなく
| 作成日時：2020年8月9日 17時
