１話．出会い ページ3
．
先輩「片付けは最後の奴がやっとけよ」
「…はい」
筆記試験の成績も微妙、運動神経も微妙
両親に言い負かされて軍人になったが
入隊して数週間で既に雑用係のような扱いだった
友人「どんまい、うちら先帰るから頑張って」
早めに訓練を終えていた友人達に
情けをかけるような目で見られて溜め息を吐く
思い返せばここ最近ずっと後片付けをしていた
運動神経は決して良いとは言えず
成績も微妙、体力も無いので訓練ではいつもビリ
「(最後の人が片付けって誰が決めたんや…)」
最後の奴が後片付けをするという
システムのせいで入隊してからずーっと片付け
何なら後片付けのプロになりそうだ
訓練で使用した物を抱えながら倉庫に入り
棚に片付けるという動作を数時間繰り返している
「(誰か手伝ってくれてもよくない？)」
息を切らしながら訓練場の地面に仰向けで寝転ぶ
「(あ、めっちゃ星が綺麗やな)」
屋外にある訓練場は広大で
その真ん中で倒れていると何だか惨めに感じた
軍人なんて辞めてしまいたい
「疲れた…」
ぼそっと呟いて目を閉じる
このまま寝てしまったら
明日訓練場に来た軍人達が驚いて飛び跳ねそうだ
でも疲れも溜まっているし段々眠たくなってきた
『おーい、大丈夫か？』
意識を手放しそうになっていたとき
ふいに声を掛けられて驚き、慌てて体を起こす
「す、すみません！」
振り向けばかなり高身長の男性が立っていた
真っ赤なマフラーがよく目立ち
軍事基地内ではすれ違ったことすらない人だ
「片付け終わりました、確認お願いします！」
見たこともない軍服を着ているが
新兵の自分よりかは遥かに目上の人に違いない
男性は驚いたような顔をして自分自身を指差す
『おま、お前、俺が見えるんか！？』
「え、はい！見えてます！」
訓練＋後片付けの疲れもあって
男性の言葉の意味をすぐには理解出来なかった
「…ん？」
数秒経って何を言っているんだ？と疑問を持つ
足音もなく突然現れた見知らぬ男性に
俺が見えているのか？という訳の分からない言葉
「(そんなわけないやんな？)」
我に返り、恐る恐るその人の足元を見た
足首から先がうっすらとしか見えない
目を凝らしても霧が掛かっているような感じだ
「ゆ、ゆうれ」
キャパオーバー、そのまま後ろにひっくり返った
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るか(プロフ) - こんな神みたいな小説をありがとうございますすごく泣けました！！！！ (2022年10月26日 21時) (
レス) @page44 id: 8ee7b90455 (このIDを非表示/違反報告)
もみじ - ちょっと待って！？貴方様だったんですか！？なーちゃん！？…崇めます。うちの大好きな小説の作者様だったなんて…。この小説本当に好きです！！何回も読みました…！！tn氏の小説もっとください…。←(tn氏最推しの人) (2021年6月12日 3時) (レス) id: 55536975a6 (このIDを非表示/違反報告)
moz(プロフ) - 何周目か分かんないくらい読み込んでおります…！途中ヒヤヒヤするところで心拍数がぶち上がりました。神作者様の他の作品も読んできます〜！（追記ですがこの作品によく似た作品がありました。タイトルは 幽体離脱してた件 です。気のせいだったらすみません。） (2021年1月22日 18時) (レス) id: db48de9f7d (このIDを非表示/違反報告)
ハト - 神 (2020年12月8日 3時) (レス) id: f0bbbc5cbd (このIDを非表示/違反報告)
赤月奏楽 - 完結おめでとうございます！まだ二話くらいしか出ていなかった頃にこの作品を見つけて、ふと思い出してぶっ飛んできたら完結してました。途中はどうなるかとこちらもヒヤヒヤしましたが、最高の作品でした！神様ですね。神作品をありがとうございました！ (2020年11月22日 11時) (レス) id: 0a13c144ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんとなく
| 作成日時：2020年8月9日 17時
