【d!】幽体離脱にご注意を

１１話．早朝 ページ13

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はっ、と突然夢の中から覚醒して目を覚ました






「(まだ５時…)」






時計を見るとまだ朝の５時

昨夜は緊張で眠れないということもなく
ぐっすり快眠出来たので体の怠さは全く感じない






「(起きて支度して、散歩でもしようかな)」






ゆっくり体を起こすと
写真を見つめているトントンが視界に入った

その横顔は曇っていて今にも泣きそうに見える






「…トントンさん」






名前を呼んでも反応はない

それでも声を掛けなきゃいけないと
思ったのは何故かこっちまで泣きそうになるから






「トントンさん！おはようございます！！」


ト『うわぁっ！！！』






急に声を掛けられて驚いたのか
珍しく声を大にして強ばった顔をこちらに向けた






ト『びっくりした、おはよう…』






ベッドから降りてカーテンを開けると
眩しい朝日が暗い部屋を明るく照らしてくれる

トントンはあまりの輝きに目を細めた






「良い天気なんで今から２人で散歩しましょ」






支度するんで少し待っててくださいと言い
洗面所で顔を洗って歯を磨き、急いで着替える






「よし、行きましょう！」


ト『お、おう』






廊下は早起きの軍人達が数人ほど居て
その人達にしっかりと挨拶をしてから外に出た

鳥の鳴き声や爽快な風を感じ、気持ちが晴れる






「意外と早起きも悪くないですね」


ト『せやな、２人で散歩すんのも楽しいわ』






和やかな顔をしているトントンを見て
ほっと安堵して胸を撫で下ろすと小さく息を吐く






「前から聞きたいと思ってたんですけど」


ト『おう、なんや？』






少し歩いて近くにあるベンチに腰を下ろした






「元に戻ったら何したいですか？」






ずっと前から聞きたかったのは
無事に体に戻れたら何をしたいかという願望






ト『そうやな…』






ふわふわ漂っていたが動きを止めて考え始める






ト『やりたいことは沢山あるけど』






真っ先に思い付いたのは写真だった






ト『皆で写真撮りたいな、あの時みたいに』






全員揃って笑顔の写真を撮りたい






「…じゃあ、私が撮ります！」






勢い良くベンチから立ち上がり大きな声を出した






ト『せやな、Aに撮ってほしいかもな』


「かもってなんですか」






呑気に話していると
外に出てかなり時間が経っていることに気付く






ト『そろそろ戻るか』


「はい！」






２人は並んで軍事基地内に戻って行った

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