検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:7,042 hit

87_進道榛【世界を消したい】 ページ44

零がリビングに皆を集め、例の件を話す。
批判やら賛成やら、皆から様々な声が上がる。

小さく溜息をついた後、軽くリビングを見渡す。
ふと目に入ったのは七夜とゆうき。

七夜は一見普段通りに見えるが、なんとなく焦っているように見える。
そして小さく「ホンマ…ごめんなぁ…」と七夜が呟く声が聞こえた。
……やはり内通者なのだろう。さっきの台詞から敵対している意思は感じられない。
彼自身不本意なのだろうか……

ゆうきの方は先程の「ここ出ちゃうの……?」という言葉から、
ここから脱出したいという意思は取れない。
だが、脱出したくなさそうかと言われるとそうでもない。
恐らく、出るか出ないかで悩んでいるのだろう。


??『榛がそこまで悩んでるなんて珍しいじゃない。そんなに深刻な事態なの?』

榛『(……お前。久しぶりに話しかけに来たと思ったら第一声がそれかよ。皮肉か?)』

??『しっつれいなこと言うね、君。君が困ってそうだったから話しかけてあげたのに。』

榛『(そりゃどうも。)』


突如話しかけられる。
リビングに集まっている子供たちからではない。
俺に悪魔の力を与えた“悪魔張本人”からだ。
悪魔と会話していると、現実の五感が一切遮断されるから皆の前で喋りたくないのだが……仕方ない。


悪魔『それで?今はどういう状況なの?』

榛『(内通者の存在が見つかって、監視員が来て、零から此処から脱出しないかって言われてるところ。)』

悪魔『説明ざっつ。』

榛『(ずっと見てたんだからどうせ知ってるだろ。)』

悪魔『まぁね。にしても脱出ねぇ……天使ちゃんったら何考えてるのかしら。』


呑気に俺の言葉を返していく悪魔。
そして若干呆れたように零の方を見る。


榛『(お前的にはどう思ってるんだ?)』

悪魔『普通に考えて無理でしょ。監視員がどれだけいるのかわからない。
出口がどこにあるのかもわからない。そもそも子供たちに戦える子が少ない。
絶望的にも程があるわ。せめて情報がもう少しあればマシだったでしょうけど。』


悪魔の言う通り、わかっていないことは多い。
外に出たとして、監視員が俺たちのことを再びこの家に戻そうとするだろう。
そうなると、最悪の場合は戦闘になりえる。


悪魔『天使ちゃんには何か秘策でもあるのかしらね?
それとも内通者を拷問にかけて無理矢理情報を吐かせる気かしら。』

榛『(発想が物騒……)』

悪魔『悪魔ですから!』

87_続き→←86_瀬戸七夜【世界で一番強くなりたい】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
7人がお気に入り
設定タグ:募集企画 , 小説
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ニャ助(プロフ) - 更新しました。こんなに短くてすみません(><) (2020年5月4日 11時) (レス) id: 636a33148d (このIDを非表示/違反報告)
ニャ助(プロフ) - お久しぶりです!最近更新出来ずすみません…!更新してきます! (2020年5月4日 10時) (レス) id: 636a33148d (このIDを非表示/違反報告)
(=゚ω゚=)にゃあ - 更新しました。 (2020年3月23日 15時) (レス) id: 91777e8ddd (このIDを非表示/違反報告)
(=゚ω゚=)にゃあ - 更新します。 (2020年3月23日 14時) (レス) id: 91777e8ddd (このIDを非表示/違反報告)
春雨(プロフ) - 更新しました!オズはまだ行く先決まってないので、使って話を進めてもらって構いません! (2020年3月21日 23時) (レス) id: 55d503be78 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:製作者一同 x他6人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年2月11日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。