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72_続き ページ28




「な、泣くにしては早ないか!?まだ何も解決してへんやろ!!」

七夜さんが慌てた様子で、ボクの涙を拭ってくれる。

心底、安心したのだ。本当は凄く怖かった。
皆の心がバラバラになってゆく事が。いつも通りおどおどした振りで平静を装ってはいたけれど、一人になればすぐに恐怖に追い詰められそうだった。

もし疑り合いが止まらなかったら?
仲間割れ、果ては誰もが誰も信じられなくなったら?

ボクにとっての“世界”は、ここだけだ。
なのに、その“世界”が崩壊してしまったら。

他でもないボク達の、たった一つの小さな疑心によって――。

「そんな難しい事、考えへんでええやろ!」

七夜さんが苦笑しながら「あーあー、そんな擦ったら目、腫れるで?」とボクの手を目元から優しく離す。

「だ、だって……ボク本当に怖かったんだよ。誰も疑いたくないのに、周りは疑う空気になっちゃうし、七夜さんや零さんの事は心配だし、オズさんとも喧嘩しちゃうし……」
「疑い合う空気は解消されたし、俺はお前に、零は紅に助けられたし、折心とも仲直り出来たんやから、ええやんか」

結果オーライや、な?と微笑む七夜さんは、きっとボクを励まそうとしてくれているのだろう。

「……うん」
「そーそー、お前はもうちょい人前でも笑え。声出して笑っとき。その方が気が楽や。……夜はよう眠れるか?」

少し怖かったけれど、眠れなければ起きていたら良い話だ。ボクは少しだけ迷った後「うん!」と七夜さんに頷いてみせた。

「そうか……偉いな」と彼は笑って、「ほな、部屋に戻るか」とボクに背を向けようとする。

「あっ……まっ、待って!!」
「うん?」
「あ、あのっ……お、おかしな質問、かもしれないんだけど……か、“可愛い”って……何?」

予想外の質問に、七夜さんの目が点になった。

「へっ?」
「あ、い、いや……大事な人に『可愛い』って言うためには、どうすれば良いのかなって……」
「変わった質問やなぁ……“可愛い”か」

「まぁ、俺やったら……」と七夜さんは続けてくれた。

「その人の『好きや……』って思ってまう言動とか仕草とか、かなぁ。俺は、この人のこーゆー所が好きなんや!!みたいな?」
「へ、へぇ……」
「まぁ恋とか男女とか関係ないな、俺の場合は。それがどないしたん?」
「い、いや……き、聞いてみただけだよ」

ボクは適当に誤魔化して「おっおやすみ!」と、その場を立ち去った。

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ニャ助(プロフ) - 更新しました。こんなに短くてすみません(><) (2020年5月4日 11時) (レス) id: 636a33148d (このIDを非表示/違反報告)
ニャ助(プロフ) - お久しぶりです!最近更新出来ずすみません…!更新してきます! (2020年5月4日 10時) (レス) id: 636a33148d (このIDを非表示/違反報告)
(=゚ω゚=)にゃあ - 更新しました。 (2020年3月23日 15時) (レス) id: 91777e8ddd (このIDを非表示/違反報告)
(=゚ω゚=)にゃあ - 更新します。 (2020年3月23日 14時) (レス) id: 91777e8ddd (このIDを非表示/違反報告)
春雨(プロフ) - 更新しました!オズはまだ行く先決まってないので、使って話を進めてもらって構いません! (2020年3月21日 23時) (レス) id: 55d503be78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:製作者一同 x他6人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年2月11日 22時

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