この音響かせ!! 【なにわ男子】 (ページ27)

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#23　自主練習にて。ページ27

月海side

俺はあの後からも先輩達からの風当たりが強くなった。
この子は駄目だ、と。
最近腕が落ちてきているのは実感できて、
大会や演奏会にも呼ばれなくなってきた。
分かってる、分かってるんだ。
今年は特になにわ男子に教えているから、練習時間が無いのは分かる。
でもね、皆のせいにしたくないんだ。
皆の、なにわ男子に割いてあげた時間分も良い音楽を創らなければならない。

部長「はい、今週は職員会議で部活がありません。なので、●▲◀☆▷⬜体育館で自主練習します。各自必要な物を持って行ってください。」

あ、待って。
俺のTuba×丈君のTuba=家のスペース取る
Tuba2台かぁ……。
はっすんのClarinetはスペース取らないけど、直射日光NG。
まぁ、自主練習頑張ろうー

*

月海「おはようございます。」
丈一郎「おはようございます!」
和也「おはよーございまーす!」

3人が体育館に入る。
殆どの部員はもう来ていた。
樹恵「月海、また寝坊したの!?」
伊那「もー朝弱いなぁ。」
お二人の私服、可愛い。
樹恵は大人っぽくて、伊那はシンプルで可愛い。
それに比べて俺は。

謙杜「おっはよーございまーす!!!!って丈君の私服ダサっ。」

いきなり来てそれ言うかよ。
あんまし喋ったことないけど、なにわ男子の最年少?だっけ?
元気いっぱいでテンション高めの方、たしかPercussion担当だった気がする。

月海「ちょい、それ言う?元気いっぱいだね。」
謙杜「そう言う岶緖ちゃんだって全身青しかないやろ?ワントーンコーデもええけど、系統バラバラや。」

毒舌過ぎますよ、君。

樹恵「Tubaパートは私服ダサい人が多いのかもね。友利花先輩と花ちゃんを除くお二人さん。」

丈一郎・月海「そんなことない!」

まさか声がカブる?なんて思ってもいなかった。

丈一郎「2人で同じこと言うたなぁ。」
月海「ね。」

こんなに声がカブって嬉しかったことはない。
俺の最近のこの気持ちなんだろ。
分からないんだ。本当に。
そういえば、丈君とか、一人称“俺”のこと、どう思ってんだろう。
嫌われてなきゃいいな。
いつかは、話すから。

何故俺が、一人称・俺を使っているのか。