マイキーの独り言 ページ15
妙な既視感があった。
目の前に映るこの女が何処かで見覚えがあったような気がして。俺の隣に座って一虎の事を弟の様に世話焼いていたこの女と俺は何処かで会ったことがあるのだ。
それでもきっとそれは今世ではない、きっと前の前の世界の時の事。コンパニオンなんて俺はいままで呼んだことがないから梵天のときだろうか。
その苦い思い出に蓋をするようにつがれていたオレンジサワーのアルコールが弱いものを一気に飲み干す。氷の溶けやすいそれは頭が痛くなるような気がして。
話したことは無い。コンパニオンなんて興味がなかったから。でもあの時の飲み会はかなり荒れていた筈で、三途や蘭、竜胆たちがコンパニオンに対して卑劣な事をしていた。
記憶が段々と鮮明になっていくのを感じた。
俺の飲み干したグラスを持っていくその女の後ろ姿を見てまた、ズキリとした痛みが頭に走った。
「・・・ねみい」
最初に取っておいたケーキに手をつける。
あの女、最後どうなったんだっけか。
もう引きずり込まれるはずのないあの闇が女を囲っていく。
ああ、そういえば
銃を落とした三途がそれをみたコンパニオン達を殺そうとしたんだっけ。
それであの女がキャストを庇うように身代わりになって
ヤク漬けにされて死んだんだったかな。
寝ていたオレは気持ち悪がるように処理をさせた。
最悪だ、こんなの。
一虎に迫られている女を見て一つため息を逃がした。
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作者名:み | 作成日時:2025年7月16日 13時


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