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「じゃ、俺明日も仕事あるから先帰るわ」
よいしょ、と立ち上がる海人
「今日は本当にありがとね」
そう言って私も立ち上がる
「Aが復活したらまた遊ぼ〜」
元太もまたな、と軽く手を振る
そのまま玄関まで歩いていく海人の後ろについて行く
「今朝より顔色だいぶマシになったな。」
靴を履いたところで振り返り、私の顔を覗く
「うん、お陰様で！」
「じゃまた来るわ〜、あ、元太もゲームの腕あげとけよ」
「もちろん。次は海人に勝つから」
生意気言うようになったな、なんて海人が笑う
海人はまたこちらに背を向けて玄関のドアノブに手を掛けた
「元太、今日だけは譲ってやるけどこれからは譲ってやんねーから」
「な、わかってるよ！ありがとう、海人」
そう言うと満足そうな顔をしてからお邪魔しましたと出ていった
私が鍵を閉めた瞬間、後ろからふわっと優しい匂いに包まれた
「ちょ、げんた………？」
「ごめん、心配で、俺余裕なくて」
元太に後ろから抱き締められた
私は首元に巻かれた元太の腕を優しく剥がす
そして元太の方へと向き直ると不安そうな子犬のような顔を見せる
「Aさん…？」
「いっぱい迷惑かけてごめんね、おいで」
そう言うと嬉しそうな顔をして私の胸元に飛び込んできた
私は彼の頭を優しく撫でる
「Aさん、」
「ん？」
そう言うと彼は私と目線を合わせて
「俺、Aさんが好き。付き合って欲しい。」
彼の瞳の奥が揺れた気がした
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作者名：ゆい | 作成日時：2021年8月10日 16時
