イヤーカフ ページ1
.
それはスネイクと次の航路について話していた時だった。
｢少しぐらい貸してくれてもいいじゃん！！Aのケチ！！｣
甲板の広場の方から聞こえてきたウタの泣き声。
AのケチといかにもAが悪いように言うが十中八九、悪いのは毎度の事ながらウタであるそれに、またアイツは と溜息をついて足を進めれば泣きじゃくるウタとそっぽを向くAの姿が目に入った。
｢まぁまぁ喧嘩すんなよお前ら｣
なんて宥めるように声をかけ、ウタの頭を撫でてやれば俺の名前を呼びながら抱きついてきてAが、と涙ながらに言葉をこぼす。
＿＿＿＿＿＿ったく、1度決めたら聞かない性格は誰に似たんだか…。
涙目、上目遣いで訴えかける娘に小賢しい手を覚えやがってと呆れながらAの目線に合わせてしゃがみ込めばAの瞳に俺が写り込んだ。
｢Aはお兄ちゃんなんだからウタに少し貸してやれ。な、？｣
なんて何を貸してほしいんだか知らねぇが少し貸せばウタも満足するだろうと思って言ったのが間違いだった。
ごねる事もなく わかったと手に握りしめていた何かを俺に渡してきたAに
俺はそれを手に持った瞬間やっちまったと心底後悔した。
＿＿＿＿＿＿お前、ウタ
こりゃAも怒るし早々貸さねぇだろ。
ウタが強請っていたのは俺がはじめてAに渡したプレゼントのイヤーカフ。あの日から毎日かかすことなくAの耳元で存在を主張しているものだった。
『大事なやつだから無くさないでよ』
…Aわりぃ。
ただその一言を残して背中を向けたAに俺は申し訳なさから両手で顔を覆って蹲る。
｢…ルウ、お前今日はAの好物作れよ｣
ﾙｳ｢あったりまえだ｣
イヤーカフだと言ってくれれば良かったのに、
なんて今更すぎる。何を取り合っていたのか話を聞いてから口を挟むべきだった…。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1663人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空舞(プロフ) - しらすさん» しらすさんありがとうございます🙇🏻♀️💞そう言っていただけると嬉しいです！いつだってそうだった。ではわからないシャンクスの言動の意味紐解けるように頑張りますっ！ (10月15日 20時) (
レス) id: 06939a4bea (このIDを非表示/違反報告)
空舞(プロフ) - 泉谷さん» あぁーー！ありがとうございますっ！！そう言って頂けるととても嬉しいです🥲そしてシャンクス達と夢主くんのすれ違いがえげつなくて書いてて私も辛いｯどっちかが思ってること全部言葉に出来ればならない事なんですけどねｯ😭 (10月15日 20時) (レス) @page16 id: 06939a4bea (このIDを非表示/違反報告)
しらす - きれいにすれ違ってますね。。これ読むだけでいつもそうだった。の見かたが180度変わってくるすごく面白いです！神作品をありがとうございます！！ (6月23日 21時) (レス) @page15 id: b9c047ab39 (このIDを非表示/違反報告)
泉谷(プロフ) - あ"ー!!!!!あ"あ"ー!!!!!そうじゃない違うんだシャンクスｩｳｳｳｳ!!!!!と、思わず叫びました。とても好きですマジで（迫真）無理せず更新頑張って下さいね (5月25日 21時) (レス) @page15 id: 40711c1c00 (このIDを非表示/違反報告)
空舞(プロフ) - モモさん» モモさんお返事遅くなってしまいすみません💦ありがとうございます！頑張ります！ (2023年4月23日 17時) (レス) id: 06939a4bea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空舞
| 作成日時：2022年10月6日 23時
