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「はい次、美鈴」
あ、来たよ。夢主が、本来ならばこの小説の主人公になるはずだった人が。私と違ってちゃんとした名前があるし、普通の喋り方でいられるから羨ましい。夢主に人権があるなら私にも人権が欲しい。
「はい!」
元気に返事をして前に出る夢主。いやー、ボンキュッボンだなー。流石、主人公のはずだった人だなー。うわー。なんて他人事みたいに考える。まぁ、軽い嫉妬だが。
「僕の名前は、美鈴Aです!僕が好きな事は、絵を描いたり歌う事かな…?とにかくよろしくお願いします!」
Aがよく夢主にある僕っ子を発揮した自己紹介を終えると席に戻っていく。私は席から周りをきょろきょろと見ると、クラスの殆ど全員の男子が目をハートにしている。逆ハーが始まる予感しかしない。このクラスの奴らの好みは皆一緒なのか?しかもみんな一目惚れってこいつらの団結力すげぇな。
「はい、自己紹介終わったな。じゃあ次は学級委員を決めるが誰かやりたい奴は居るかー?合計で3人決めるぞ!」
当然、誰も手を挙げない。だって面倒だもんね。その気持ち分かるよ。だから私も美玲が手を挙げない限り手を上げるつもりは無い。なんで私が美玲が手を挙げたら私も挙げるかって?その理由は1つ。美玲と仲良くなるためだ。あとでカッターキャー係として美玲にカッターキャーをするために呼び出すにはある程度仲良くなってないとダメだからね。
「はい!僕やります!!!」
くっそ、挙げちまったよ…やりたくなかったのに。こうなったら私も挙げるしかない。
「はぁい♡私もぉやりたいでちゅ♡」
こんな気持ち悪い事を言いながら手を挙げた。我ながら気持ち悪い、最高に気持ち悪い。甘ったるいトーンと、語尾に♡マークがつくような喋り方、大量の小文字。これだから、ぶりっ子は疲れる。しかも学級委員会とか内申点は多少は上がると信じたいから良いとして、だるいんだよな…
そして美玲が手を挙げると男子が目をハートにして手を挙げていたのだが、私が挙げると数人が手を降ろした。いや、分かりやすすぎるんだよ。どんだけ美玲と関わりたくて私とは関わりたくないんだよ。あいつら、失礼って自覚しろよ。
「んー、じゃあ2人決まってるから後はじゃんけんで決めてくれ!」
先に上げた私と美玲は決まった判定なのか。じゃあ面倒な学級委員をやることは確定してしまった。あとはじゃんけんであと1人が決まれば学級委員は全員決まる。
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由良の門を - めっちゃ面白いwwwwぶりこちゃんの苦労が絶えないですね笑普段都合いい夢主を見てきたから違う視点だとこんなにも面白いんですね (5月18日 22時) (レス) @page14 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
音楽ガール(プロフ) - 見たことがない斬新な話で面白かったです。一箇所だけ誤字があったのが気になりました。いちよう❌一応(いちおう)です。わざとだったらすみません。 (2022年10月12日 22時) (レス) id: c3c20d79e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆう - 悪女ちゃんの立場の小説中々無いので感謝しかないです!!とても面白かったです!ぶりこちゃん推しまああああす!! (2022年8月30日 13時) (レス) @page15 id: a30ccd45c8 (このIDを非表示/違反報告)
エム丸(プロフ) - 完結おめでとうございます(*´ω`*)面白かったです!素敵な作品ありがとうございました! (2022年5月29日 20時) (レス) id: 011612cc3e (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@とまと:カド松(プロフ) - はーーーーーー。好きッッッめっちゃイイネ! (2022年5月28日 12時) (レス) @page14 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:moka x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/bokuno/
作成日時:2022年3月10日 22時