やる気ゼロの睡眠不足は抹消されない〜4〜【ヒロアカ】

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分かってた


分かってたんだよ


だけど...



『これはさ、仕方なかったんだよ』



やっぱり、悔しいし悲しい


もう戻らない


今までのようにはいかない


そう思うと複雑で


言い表せない感情が溢れてくる


失う事が、こんなにも苦しいなんて



『私が勝手に突っ走って、勝手に怪我して、そしたら勝手に失ってた』



目を合わせようとしない私を先生はそっと抱きしめた


かと言って私は泣くわけでもなく


体を少し捻ってただただ先生に縋るように抱き返した


今泣いたら...きっと理央達にバレる


従兄弟達の前では...普段通りの私でいたい


ねぇ、先生


こんな私でもヒーローになれるのかな


先生は、ダメだと思ったら切り捨ててくれるよね


でもヒーローにはなりたいんだよ


こんな私でも


先生は.....


好きでいてくれますか



『先生.....好き。お願いだから.......まだ私を好きでいて...』

「.....あぁ」




side:相澤





睡間の右足を切断した話を聞いた時


自分の無力さを恨んだ


全てとは言わないが、俺が原因の1つだ


俺が玄野に捕まったせい


目は隠されたので実際に見たわけではなく、声を聞いた


必要以上に喋っていた睡間は、あの時既に限界だったはず


病室で少しでも悲しそうにしてくれれば良かった


睡間は普段と変わらない顔で


重傷にも関わらず


真っ先に俺の怪我を聞いてきた


酷い話だ


今回、俺よりずっと立派にヒーローをこなした睡間は足を失い


それに対して俺はたかが10針縫った程度


目標は達成出来ても睡間は大きなモノを失った


俺はただ、こうして抱きしめることしか出来ない


抱き返す手は震えていた


睡間は愛に依存している


愛し愛されることを強く望んでいる


態度や行動だけでは不安になる


誰もが持つ、歪な愛の形


それは最も醜く、最も美しい




「睡間...」



これから先、こんな無茶を続ければ俺よりも先に睡間は死ぬ


少しでも守ってやるには


こいつの為には



「ヒーロー、やめるか？」



ヒーローという世界から遠ざける事


ヒーロー科をやめ、他の科に編入させる


それが1番合理的だと思えた


睡間はヒーロー以外でもやっていけると思っていたから


だが睡間はパッと俺から離れると



『え、やめんの？』



そう、平然と告げた



「.....義足になるんだぞ？」

『私、やめる気は全然無いけど』



俺は少し、睡間を見くびり過ぎていたのかもしれない

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