約束と夢の狭間で。2 (ページ10)

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大輝「おにーさんは妬いちゃうなぁ…」

『なっ……！！』

大輝「……気になんの？」

『えっ。まさか。私が誰かを気になるなんて…』

そこまで言って大輝さんに指先で小突かれた。

大輝「はい、マイナス発言ー

人生嬉しいもんですよーっと。」

『あーーーもうっ！

……正直に言うと、好きになるとかいう感覚が
わかんないんです…。

渡辺さんだってまだ数回しか話したことないですし。』

大輝「……誰もワタナベサンの名前なんか
一回も言ってないんだけどなーあ♪」

しまった。やられた。

大輝さん嫌い。

『…もうほんとなんでもないですから！
なんでもないから渡辺さんにも何も言わないで！

あと、大輝さん嫌いです。』

大輝「Aちゃんに嫌いって言われた…

ショックだから翔太に後で相談しよ…」

『あー、渡辺さんと話さないでもらっていいですか。
大輝さん口軽そうなんで。』

大輝「ごめん、スタッフだから話さないは無理♪
それと口軽そうは心外だよー？(笑)」

大輝さんは漫才師みたいに軽快に喋りながら
手はテキパキ動かしてスタイリングを完成させる。

帰るときに渡辺さんがチラッとこっちを見て
「ありがとうございました」
って言ってくれた。

私もぺこっと頭を下げて1階へと降りていき、
お会計と次の予約をお願いして帰った。

つ…疲れた…

頭はスッキリしてるのに疲れた…