華麗なる大回避曲（大円舞曲） ページ17
それから男に降ろしてもらった私は、つらつらと今までのクソ貴族どもの所業を語ってやった。
男は少し眉をひそめたようだった。まあこいつもとんだクズ野郎だろうし、もっとエグいことくらいやったことあるんだろうが、多少は私に同情したっぽいね。
……つーか、心の声聞こえたってことでよろしいの？？？
もうよくわかんないんだけど……。いや、生き物の思念を読み取れるんだからある意味自然な流れとも言えるか？
兄の思考は読み取れなかったけど、死にかけて能力が強化されたとか。
ただ、人間の思念はなんというか……。
キモい。
失礼。言葉が足りなかったようだ。
バチクソキモい。
具体的に言って、ゲロ吐きそう。キモい。
不快。とてつもなく不快。1秒でも早く逃げ出したくなるくらいに不快。
どろどろとしたドス黒いものが、纏わり付いて身体を小さく突き刺してくるような。
今の距離だと思念はノイズかかったように聞き取れず、そのドロドロとしたものだけが伝わってくる。
それが、この男がドクズ野郎だからなのか、それとも人間全般こうなのかはまだデータが無いのでわからないが、
もしも後者なら私の人間生活は早々に幕を閉じることになるだろう。いや、無理。心折れるわこんなん。
『……って、まあ。そんな感じ』
「そんな過去淡々と話しやがる。お前イカれてんな」
『そう？普通じゃない？』
「ガキの癖に冷めた話し方しやがって。イラつくんだよ、まるで見下されてるみてえで！あの貴族どもの血を引いているだけあるなあ！？」
『じゃあ見逃してくれないんだ』
「あ？…あー。そうだなあ、見逃してやれねえなあ。この俺をイラつかせたわけだからなあ！？」
そう言った男は私の言葉でそれをようやく思い出したようで、私が泣き叫ぶ想像に口角を上げる。手に持った剣をゆるりと振りかぶった。
その巨体が、崩れ落ちる。
その首筋には、いつのまにか毒毒しい色彩の蜘蛛が牙を立てていたことにも気がつかず。
「なッ……おま…何、し……」
そんな言葉を聞かぬうちに、私は組み立て終わった逃走ルートへと走り出していた。
【ハイ絶体絶命のピンチ華麗に回避！さっすがはサラ様そこに痺れる憧れるぅー！！】
［いや、やったのほぼ自分だからな］
［なんなんだよ！もうちょい焦れよ！お前ら！特にサラ！！死ぬぞ！？］
【天才だから平気ー】
［その不死身メンタル分けて欲しい。切実に。胃が痛い］
［えっ、皿なのに……？］
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うさぎもち - 壁たちの会話で爆笑しましたｗｗｗちょう面白いです!!!!更新頑張ってください！！！！！！！ (8月10日 0時) (
レス) @page15 id: 6ed501a3ba (このIDを非表示/違反報告)
あ - 777で笑ってしまった…。面白いです！気が向いたらでもいいので更新お願いします！！ (2022年7月20日 7時) (レス) @page22 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
明石蓮(プロフ) - 早く続きがみたいです！更新頑張ってください！ (2020年1月11日 1時) (レス) id: 47f87a13db (このIDを非表示/違反報告)
棗(プロフ) - あああああ!!!更新ありがとうございますおめでとうございます!!!びっくりしすぎてビックリマークが溢れてます!!!!!!好きすぎて好きです!!!これからも頑張ってください!!!!!!!!!!!! (2020年1月3日 19時) (レス) id: bb5b41793a (このIDを非表示/違反報告)
夢竜(プロフ) - とっても面白かったです！速く続きが見たい！ (2019年12月28日 10時) (レス) id: 2674e8aa46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かなぎ。 | 作成日時：2019年4月7日 10時
