第30話 『普通科と特殊科 その��』 ページ31
「私も連れてって」
凛としたまっすぐな声は静かな廊下に響いた
ぽかんとしている2人に構わず莉緒は続ける
「あなた達のことを信じてないわけじゃあないんだけど、Aくんは私たちの友達。あなた達だけに任せてなんていられないわ」
「……たとえそれが危険を伴うことでもか？」
まるで、俺たちの心を覗くような鋭い瞳をする承太郎に俺は息を詰める
しかし、莉緒は「もちろん」と答えた
「そうか、別に俺はお前を止めはしねえがどうなっても知らねえぞ」
「私、あなたが思ってるよりも強いの。甘くみないで」
「ま、待て！承太郎！」
その時、ずっと固まっていた花京院が承太郎に詰め寄る
女性を連れて行くのは危険だとか、なんとか言っているが莉緒は行く気満々だ
長年一緒にいるからわかる。莉緒は一度言い出したことは曲げないやつだ
「花京院くん、危なくなったら勝手に逃げるから気にしないで」
「お前……逃げるって……」
「別にいいじゃない。だから、花京院くんには悪いけど私は一緒に行くわよ」
それを聞くと花京院は無駄だと感じたのか、分かりました。とだけ呟いた
「春樹は？」
「え？」
莉緒が俺の方を見て聞いてくる
春樹は一緒に行かないの？
と。
「………いや、俺は」
行かない。と言おうとした時
「怖いんだ」
莉緒が、からかうように俺に言った
「は、はぁ？」
「行くのが怖いんでしょ？
わかるわよ幼馴染なんだし、それくらい。もしもだけどさ、Aくんが怪我とかしてたらどうする？
多分だけどAくんが一番仲のいい子って春樹だと思う。春樹が来てくれたら安心するんじゃあないの？…………ここ最近で、誘拐事件増えてるでしょ。警察じゃあ手に負えないってくらいの誘拐数の事件。あれに巻き込まれてるとしたらどうするの？
ねぇ春樹、私たちが助けに行こうよ」
それってヒーローみたいでかっこいいじゃない
そう言って笑う莉緒にため息が漏れる
(いつまでたっても敵わねえな、莉緒には)
「わかった、俺も行くよ」
「よし！それじゃあ新・普特隊の結成！Aくんのところに行こう！」
「普特隊？」
花京院が小首を傾げる
「普通科と特殊科、足して普特隊！かっこいいでしょ！」
「……そ、そうですね」
「……やれやれだぜ」
莉緒の独特のネーミングセンスに苦笑いをしている花京院と帽子のつばを下げる承太郎をみて、さっきまでの恐怖は何処へやら…このチームならいけるかもしれないと俺は笑った
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人力車(プロフ) - 丹華 蓬＠沼暖かいさん» ありがとうございます( >▽<)ゞ 携帯が調子悪くてDSやパソコンからの更新になってしまって前よりも更新が遅くなってしまうかも知れませんが、お付き合いください！ (2019年10月5日 20時) (
レス) id: 60356de8e5 (このIDを非表示/違反報告)
丹華 蓬＠沼暖かい(プロフ) - 今回も面白かったです、無理しない程度に頑張ってください。 (2019年10月5日 20時) (レス) id: 3fce7d89ee (このIDを非表示/違反報告)
人力車(プロフ) - 丹華 蓬＠沼暖かいさん» ありがとうございます笑！これからの展開を楽しみにしているあなたのためにも、頑張ろうと思います！ (2019年9月25日 22時) (レス) id: 60356de8e5 (このIDを非表示/違反報告)
丹華 蓬＠沼暖かい(プロフ) - 人力車さん» いい展開になって来ましたね、次回が楽しみです、無理しない程度に頑張ってください。 (2019年9月25日 19時) (レス) id: 3fce7d89ee (このIDを非表示/違反報告)
人力車(プロフ) - 丹華 蓬＠沼暖かいさん» いつもコメントありがとうございます！！前より少し更新ペースは落ちてしまいましたが頑張ろうと思います！ (2019年9月22日 16時) (レス) id: 9f1d144e77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：人力車 | 作成日時：2019年8月17日 10時
