喫茶店ポアロの新人店員さん３ (ページ14)

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９４話「出会い」ページ14

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4月の高校の入学式。

保健室に書類を届けにきた降谷は､辺りを見回した。

降谷『(誰もいないのか…？)』

A『誰もいないよ』

突然聞こえた声に､降谷は驚いて目を見開いた。

声が聞こえた方向に目を向けると、保健室のベッドに降谷と同じクラスの櫻井Aが寝転がっていた。

すると、Aは耳につけていたイヤホンを外し､降谷に話しかけた。

A『降谷くんもサボり？』

と、Aは悪戯っ子のように微笑んだ。

降谷『さ、櫻井さん…！』

A『あ、Aでいいよ～』

A『部活紹介とか長すぎるんだよね～…､降谷くんは部活入るの？』

降谷『あー…俺は入らないかな……Aは？』

A『私も部活はいいや…』

そう言うと、Aは伸びをした。

降谷はAの様子をじっと見つめた。

降谷『…』

その視線に気づいたAは首を傾げた。

A『ん？なに？』

降谷『いや…、Aってもっと真面目な人かと思ってた』

A『ふふっ、なにそれ～』

と、Aはクスクス笑った。

A『私、この春からこっちに引っ越してきたばかりでさ』

降谷「へぇ～！そうなんだな」

A『…私の家、降谷くんの家の隣なんだよ？気づいてないでしょー？』

Aがそう言うと、降谷は目を見開いた。

降谷『えっ！そうなのか！？すごい偶然だな…！』

A『うん、すごい偶然だよね…！』

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ー翌日ー

Aはハッと目が覚めた。

A「…懐かしい夢…見たな」

そう呟くとAはベッドから降り､朝ご飯を作るためにキッチンに向かった。