起きたら翼が生えてた【MHA】 (ページ34)

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この状況、実に行動を起こしにくい。
翼を広げれる程のスペースなんてないから飛べないし。

『へぶ、』

いつの間にか窓際へと追いやられてしまった。

『うわ、マスコミ...』

まじでいっぱいいる。

何やってくれとんだこの野郎。めちゃくちゃ行動しにくいじゃんか。

『った～...』

それにさっきから翼に生徒がバシバシ当たって痛い。せめて翼を窓際に向けれたら翼は守れるんだけど、反対側を向く余裕もないのだ。

翼にも神経通ってるんですよ...だから直に当たってる分、余計痛い。

『うう...』

非常口飯田はまだだろうか。長く感じる。

「大丈ー夫！！ただのマスコミです！
なにもパニックになることはありません
大丈ー夫！！」

ちょうど非常口辺りを見た時、飯田くんのそんな大きな声が聞こえた。

『...な、ナイス飯田くん...』

その後生徒は落ち着きを取り戻し、警察も到着。

『や、やっと人減った...』

人が少なくなった食堂で思わずペタリと座り込む。翼が少し痛んだ。

「羽平さん？」

視線を少し上げると、尻尾が見え......尻尾？

『尾白くん』

「あれ、覚えてくれてたんだ
...大丈夫？」

...なんだこの安心感を与えてくれる方は。

そう言ってしまいそうなのをぐっと抑え苦笑いする。

『ありがとう、さっきので翼が痛くなったんだけど...大丈夫みたい』

「そっかよかった。急にあんな風になったら吃驚するよね」

苦笑いする尾白くん。

手を差し伸べてくれたのでそれを握り返して立ち上がった。

「教室、そろそろ行かないとね」

『うん...ありがとう』

「いえいえ」

＊

教室につくと峰田くんが足にしがみついてきた。

心配してくれたらしいんだけど皆からの視線が痛いので離れていただいた。