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『いってきまーす』
新品な制服のにおいを嗅ぎながらスライスチーズをのせた食パンをくわえて家を出た。
(普通に朝食作る時間なかった。)
途中角曲がるけど大丈夫、イケメンとゴッチンなんてことないから。
地下鉄に乗ると視線を感じたので見てみるとサラリーマンや高校生などがチラチラとこちらを見ていた。
雄英の制服着てるだけでこんな見られるんだな、怖。
居心地の悪さを感じながら地下鉄から降り、雄英校内へと歩き出す。
『うーん、予想以上に広いな』
試験の時も来たけど、あの時は案内の通りに行っただけだったしね。
「『迷ったわ』」
......今、誰かと声重なったような。
「...あの時の！」
『...あ』
元気なその声の主は上鳴くんだった。
「そういや名前言ってなかったっけ。
俺 上鳴電気！お前は？」
『羽平A。よろしく上鳴くん』
「おう！教室まで一緒行こうぜ！｣
こくりと頷いてまた歩き出す。
そんな私の背中を上鳴くんはちらっと見た。
『気になる？背中』
「えっ、あ、まあ...」
思春期だな〜と思いながら思わず笑ってしまった。
一応私は皆より2つ歳上なのでかわいいと思ってしまうのだ。
ちなみに、背中は翼を出すため一部分だけ肌があらわになっている。
『中学では出してなかったんだけどそれだと不便でさ。個性を伸ばせる雄英なら出した方がいいかと思って』
「へ〜」
そうやって話していると1Aと書かれた教室に到着。
無事着いてヨカッタ〜
『でかいね』
「でかいな」
ボケーっと2人で見ていたが背後から足音が聞こえてきたので思わず振り向く。
「どけ、転校生」
なんとなく分かっていたが爆豪くんだった。
『......上鳴くん入ろっか』
「お、おう」
教室に入ると大体の人が席についていた。
来てないのはあと数人と言ったところだ。
...遅刻しなくてよかった。
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