12-4▽ ページ39
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自然とわき起こったどんまいコールの中、大きな大きな氷を見上げた。
あれはおそらく最大出力だ。あれほどの氷を見たのはいつぶりだろうか。前に見た時よりも、明らかに成長している。
会場全体がひんやりとしているのか知らないが、私は寒さとは別に震えていた。
｢Aちゃん、大丈夫？緊張してるのかしら｣
｢…………｣
心配してくれてありがとう梅雨ちゃん。でも違うよ。確かに緊張するけど、今は違う。
(焦凍……めちゃくちゃ機嫌悪い……！)
心当たりは大いにある。その上、もし試合前に炎司さんと会っていたりしたら……。
あぁ、私は今日、いよいよ焦凍に殺されるのかもしれない……。家に帰りたくない。今日一日で、今までにないくらい反抗した。喧嘩した。一応ヒーロー志望なのだし、殺すのだけは勘弁してほしいものだ。
焦凍の愛は重いというか、狂気を感じる時がある。さっきも｢部屋に閉じ込めたい｣とか言っていた。このままだと、来週からちゃんと学校に行かせてもらえるかすら危うい。
｢しょーとが戻ってくる前に、早めに控え室行こっと……｣
｢ケロ、Aちゃんの試合はもう少し後ね。轟ちゃんのことを避けているみたいだけど……｣
｢私、誰の隣に居ていいのか、分かんなくなってきた。……でも今は目の前の試合に集中しなきゃ、だよね！｣
｢Aちゃん……｣
無理して笑わなくていいのよ、と小さな声で梅雨ちゃんに言われてしまい、ぽろりと雫が落ちた。
まだ試合もしていないのに、まるで敗けてしまったかのように、ぽろぽろと目から涙が溢れてきた。声もあげずに、ただただ落ちていく雫を手で受けとめる。
｢変なの……何も悲しいことなんて、｣
｢ケロ、やっぱり私もついて行くわ。泣いている友達を見過ごすことなんて出来ないもの｣
人目を気にしたのか、梅雨ちゃんはすぐに私を控え室まで連れて行った。
今日の出来事全てを話すとなると、日が暮れてしまう。それに、今は誰とも話したくなかった。梅雨ちゃんはそれを分かってくれたのか、何も言わずにただ隣に居てくれた。
……本当にいい友達を持ったと思う。
(情けない……こんなんじゃ、ヒーローになんて、)
なれない。
本当にヒーローになりたいと思っている心操くんにも失礼だ。彼にはあんなことを言っておいて、無責任だ。
私はどうしてヒーローを目指しているの？
何に憧れたわけでもなく、正義感だって大してない。心の底から人助けがしたいわけでもないのに。
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愛犬は天使です。 - 影猫さん» そうですか...............迷惑なこと言ってすいませんでした。これからも応援してます。 (2018年6月17日 16時) (
レス) id: cf71c5c6e6 (このIDを非表示/違反報告)
影猫(プロフ) - くるり、さん» ご指摘ありがとうございます、完全に二人称視点で書いてました……！右から炎出たら大変なことになりますね。。すごい恥ずかしい間違いしてました、ご指摘感謝ですm(_ _)m (2018年6月16日 20時) (レス) id: 3f1a8429d6 (このIDを非表示/違反報告)
くるり、(プロフ) - 最近の展開にハラハラしながら読ませてもらってます(笑)それでですね、たぶん12-3でエンデヴァーのセリフは｢右を使え｣ではなく｢左を使え｣だと思います。轟くんの炎は左から出るので(･_･) (2018年6月16日 17時) (レス) id: 9048a89fa8 (このIDを非表示/違反報告)
影猫(プロフ) - 愛犬は天使です。さん» コメントありがとうございます。そのように言って頂けてとても嬉しいのですが、数年前の作品で、私自身完全にジャンル移動しているので、難しいです……。本当に申し訳ございません。 (2018年6月12日 19時) (レス) id: 3f1a8429d6 (このIDを非表示/違反報告)
愛犬は天使です。 - すみません、あの、飼育部屋の更新してくれませんか？あの話大好きで、更新ずっと待ってるんです。お願いします！(土下座) (2018年6月12日 19時) (レス) id: 3074c316a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影猫
| 作成日時：2018年5月5日 17時
