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「わぁ、お洒落なお店……」
「んふふ、せやろ?Aが好きそうやなーって思ってた」
軍事基地から車で約20分。
こじんまりとした店ではあるが静かで落ち着いた雰囲気で、洒落た雑貨が飾られてある。予想通り、Aはお気に召したようだ。
客はぽつぽつ席に居るくらいで、前に二人で夜食に行ったレストランとはまた違う。この店は値段もそこそこ普通だし、テロに巻き込まれることもそうないだろう。……そのことをAがまだ覚えていて、外食することに対して不安な気持ちにならないかと思って配慮したつもりであったが、杞憂だったようだ。
お気に入りの席が空いていたので、Aを連れて行き座った。
「ゾム、こういうお店も行くんだね」
「まあ食べるの好きやし。人に食わすのも好きやけどな」
「……誰に?」
メニューから目を離し、正面のAを見た。おそるおそる疑うような、どこか不安そうな目。彼女のことだから、他の女と来たことでもあるのかと気になっているのだろう。
視線をメニューに戻し、何を食べるか悩む。
「問題の幹部らやで。全員男。……Aの苦しむ顔、確かに興奮はするけど、別に苦しめたいわけではないし」
「え、ぁ、そうなの。……良かったぁ」
「あ、それとも苦しみたかった?食わせたろか?」
「結構です……」
残念やなぁ、なんて笑って言うと、Aはむぅと頬を膨らませた。何とか場を和ませることが出来たようだ。
各々食べたいオムライスを注文し、料理が運ばれてくるのを待つ。その間、Aがキョロキョロと店の内装を見渡していた。きらきらと目を輝かせて、心底嬉しそうにしている。此処に来て良かった。
……さて、Aに何と言えばいいだろう。
貴女襲われますよ、なんて言ったってAは笑って聞き流してしまうだろうし。そもそも警戒心が足りないのだ。あの幹部らに狙われてると、もっと自覚した方がいい。
(ぜぇったいAとおれは運命の番やと思うんやけどなぁー……)
そう、だから他の男の子どもを産むなんて絶対に許さない。Aはおれだけを見て、おれとの子どもだけを産めばいい。
なのにそれを邪魔する輩がいる。人のモノは取っちゃ駄目なんやろ、なんて言ったって、Aはモノではないとか屁理屈言っておれの言葉なんて聞かないだろう。
最善策は何処にあるのか。それともそんなものは最初からないのか。
なんて考えているうちに料理が運ばれてきて、Aは嬉しそうに手を合わせた。
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影猫(プロフ) - トウマさん» ありがとうございます!私もヤンデレ好きです(笑)今度ガチもんのヤンデレも書いてみたいです。更新頑張ります……! (2018年3月8日 3時) (レス) id: 3f1a8429d6 (このIDを非表示/違反報告)
トウマ(プロフ) - 影猫さんのゾさんがめちゃくちゃ好きです…ヤンデレが大好物なので()更新頑張ってください! (2018年3月7日 22時) (レス) id: a615484a47 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめるそーす(プロフ) - 影猫さん» 了解ですっ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 7e83d7a6cd (このIDを非表示/違反報告)
影猫(プロフ) - きゃらめるそーすさん» コメントありがとうございます。ついったでフォロー申請送って頂いた方でしょうか?誤操作で蹴ってしまったので、申し訳ございませんがもう一度送って頂けないでしょうかm(_ _)m (2018年2月23日 13時) (レス) id: 3f1a8429d6 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめるそーす(プロフ) - 影猫様のゾム氏がかっこよすぎて禿げそうになるぐらい悶えてますwこれからも頑張ってくださいっ!応援してますっ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 7e83d7a6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影猫 | 作成日時:2018年1月8日 18時