22-1▼思案 ページ26
料理をしながら、ソファに座っているAの様子を伺う。
可愛いな……って違う違う。体調が心配で見張っているのだ。今は大丈夫そうだけど、しばらく気にかけておかねばならない。
生理痛のおかげでと言っていいのか分からないが、Aから好きって言って貰えたし。死ぬほど嬉しかった。
Aの言葉を思い出して、つい頬を緩めてしまう。なるべく気付かれないように平常を装って、淡々とソーセージを切っていく。
(やばい、もっと触れたい……)
今すぐ抱きしめてキスしたい。
あの可愛らしい小さな胸をふにふにしたい。
許されるなら繋がりたいし、そういうコトをしたい。
時々どうしようもないくらいに食べたくなるから、少し怖い。肉でも骨でも食べられそうな気がするけど、そんなこと出来ないし。……指や耳を甘噛みするくらいなら許されるだろうか。
どこかソワソワしながら、ぱらぱらと炒飯を炒める。
するとAがひょこりとキッチンに現れた。……人の気配に気付かなかったなんて、何たる不覚。気を付けなければ。
｢どした？座ってて大丈夫やで｣
｢少しくらい手伝いたくて。ゾムに迷惑掛けてばっかりだもん｣
｢迷惑じゃないってば。……でもまあそこまで言うなら、これ運んでもらおかな｣
｢！うん……！｣
完成した炒飯を皿に盛ってAに渡すと、少し嬉しそうにしてリビングのテーブルまで運んでくれた。
まるで幼子のようで可愛かった。子どもが出来たら、こんな感じなのかもしれない。いいな、子ども欲しい……。
あんなにも生理が重くて嫌なら、おれが止めてあげればいいのでは！？と思い付く。いやでも、数年は待てると言ってしまったし、ドン引かれそうだからやめておこう。そんなこと言ってしまえば、なんか大先生みたい。
(その前に籍入れよ。もう少し落ち着いたら、Aとも相談しながら……)
｢ゾム？……考え事？｣
｢ん？あぁ……何でも。食べよっか｣
ようやくキッチンを出てAの隣に座る。
ドタバタして流石に疲れてしまった。しばらく立ちたくないな、なんて思いながらスプーンを持つ。
Aは｢いただきます｣と手を合わせ、ふぅふぅと息を吹きかけ冷ましてから口に入れた。
それを隣で見守り、自分もスプーンで炒飯を掬う。
｢ねぇゾム、今日お仕事大丈夫だったの、？起きてからずっと付いてくれてるけど……｣
｢…………まあ、何とかする｣
本当はエーミールに呼ばれていたけど、彼との約束よりAの体の方が大事だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
影猫(プロフ) - トウマさん» ありがとうございます！私もヤンデレ好きです(笑)今度ガチもんのヤンデレも書いてみたいです。更新頑張ります……！ (2018年3月8日 3時) (
レス) id: 3f1a8429d6 (このIDを非表示/違反報告)
トウマ(プロフ) - 影猫さんのゾさんがめちゃくちゃ好きです…ヤンデレが大好物なので（）更新頑張ってください！ (2018年3月7日 22時) (レス) id: a615484a47 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめるそーす(プロフ) - 影猫さん» 了解ですっ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 7e83d7a6cd (このIDを非表示/違反報告)
影猫(プロフ) - きゃらめるそーすさん» コメントありがとうございます。ついったでフォロー申請送って頂いた方でしょうか？誤操作で蹴ってしまったので、申し訳ございませんがもう一度送って頂けないでしょうかm(_ _)m (2018年2月23日 13時) (レス) id: 3f1a8429d6 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめるそーす(プロフ) - 影猫様のゾム氏がかっこよすぎて禿げそうになるぐらい悶えてますwこれからも頑張ってくださいっ！応援してますっ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 7e83d7a6cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：影猫
| 作成日時：2018年1月8日 18時
