【wrwrd】愛してその醜を忘る [3]【Zm】

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痛い。もう嫌だ。痛い。

ぐっと腹を抱えてソファに寝転がり、もう一時間は経つ。
早く起き上がって朝食を作ったり、ゾムを起こしたりしなきゃいけないのに、体は言うことを聞いてくれない。薬を飲まなきゃ、トイレに行かなきゃと思っても、激痛に襲われ起き上がれない。


あれ、私こんなに生理痛重いっけ……？


確かに今までも痛みはあったけど、市販薬を飲めば普通に耐えられる程度だったはず。
薬の飲み過ぎで効果が薄くなったのか、……もしかしてゾムと行為をするようになって、身体に何らかの変化があったとか。もしくはたまたまこれまでにないほど重い月だったのかもしれない。

学校には通わせてもらえなかったから、保健の教養も勿論ない。だから、自分の身体のこともあまりよく分からない。


(こういう時ってどうすればいいの……？ゾム……助けて……！)


不安になって、涙がぽろりと落ちた。

こんなことになるなら、トイレの後ベッドに戻ればよかった。そうしていたら、ゾムを起こしてどうにか助けてもらえたかもしれないのに。


(助けて、助けてゾム……)


怖い。動けなくなるほど痛いなんて、今までなかったのに。
どこか体が悪いの？何か病気になっちゃった？



＿＿何とかして声を出そうと、息を吸おうとした時。


｢A……？｣

｢ゾ、ム……っ｣


まだ眠そうなゾムの声。幻聴じゃ、ない。

ゾムは私がソファの上でうずくまっているのを見てか、すぐに駆けつけてくれた。
｢どうしたん？具合悪い？｣と肩に手を置かれ、優しく摩られる。

泣いていることに気付いたゾムは一気に焦った表情になりながらも、涙を拭ってくれた。


｢大丈夫……じゃなさそうやんな。A、喋れる？無理はせんでええから、｣

｢お腹、っ……痛、い……｣


腹部の痛みを訴えると、ゾムは心配そうな、少し困ったような表情をした。

ゾムは｢もしかして、動けへんの？｣と言ってタオルケットを掛けてくれる。
その問いにゆっくり頷くと、ゾムは私を見ながら何やらポケットを漁り出した。
そのポケットから出てきたのは小型通信機のようなもの。


｢ロボロ。緊急、しんぺい神に繋げて｣


しんぺい神……？

知らない名前だ。それも、名前に神だなんて。


｢患者一名、意識あり、外傷なし。数分で着くからよろしく｣


ゾムは淡々とそう言って、耳元から手を離す。
タオルケットに包まれた私は、そのままゾムに抱き上げられた。


すぐに家を出て、何処かへ連れて行かれた。


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