19-5▽ ページ11
(はぁ……)
お腹を軽く押さえながら廊下を歩く。
明日はもっと辛いのだと思うと、憂鬱になる。痛い。どうして人間は不必要な時でも毎月排卵してしまうのか。いっそ猫みたいに、とも思ったがそれはそれで大変か。
痛い思いをするのはいつだって女の方だ。
リビングを覗いてみるも、ゾムの姿は見られなかった。もしかしたら寝室で待っているのかもしれない。
そう思って寝室の扉を開けてみれば、どうやら予想は当たったようだ。
ベッドに腰掛けていたゾムと目が合った。
｢大丈夫なん？えっと、薬とかは……｣
｢もう飲んだし、大丈夫だよ｣
立ち上がったゾムは心配そうにしてこちらに寄ってきた。苛立ちを見せていた昼とは大違いな表情で、フードで顔が見えにくいだけで案外感情は豊かなようだ。
ゾムの手がするりと伸びてきて、胸が高鳴る。
そぉっと頬を撫でられ、ばっちり合ってしまった目を離すことが出来ない。
エメラルドの瞳の奥をずっと見つめていた。
(ゾムは今、何を考えてるんだろう)
確かに熱のこもったゾムの瞳が、私を捕らえていた。
きらきらと光って、綺麗。……綺麗としか言い表せない。
なんて思っていると、頬にあった手はいつの間にか腰に回されていた。先程よりもかなり密着していて、ゾムの顔が近い。
｢……なぁA。いつかおれの子、産んでくれる？｣
｢っ、！｣
どきどき、どくどく。無意識に身体が反応してしまい、熱を帯びていくのが分かった。
だってゾムが、あまりにも真面目な顔で、本気の目をして聞いてくるものだから。
恥ずかしくなって、少し下を俯いた。
心臓が煩くて落ち着かない。まだどきどきしている。……罪な人だ。
何も答えられずにいると、ゾムはそこにつけ込むように耳元で囁いてきた。｢だってAは運命の人だから｣と。｢おれにはAしかいないから｣と。
まるで洗脳でも受けているような気分になったが、決して嫌なわけではなかった。むしろ心地良いくらいで、私の全てを受け入れてくれるのはゾムだけなんだって、…………。
(ゾムは愛を確かめたがりだなぁ……そんなところもちょっと可愛くて、放っておけないんだけど)
赤くなった顔を隠すようにゾムに抱きついて、小さく｢うん｣とだけ言った。
頭や背中を撫でられ、ようやくリラックス出来た。ゾムもいつもの調子に戻ったみたいで良かった。
あの恐い顔のままだと、私も悲しくなってしまうから。
ゾムの匂いに安心してしまい、しばらく動けなかった。
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影猫(プロフ) - トウマさん» ありがとうございます！私もヤンデレ好きです(笑)今度ガチもんのヤンデレも書いてみたいです。更新頑張ります……！ (2018年3月8日 3時) (
レス) id: 3f1a8429d6 (このIDを非表示/違反報告)
トウマ(プロフ) - 影猫さんのゾさんがめちゃくちゃ好きです…ヤンデレが大好物なので（）更新頑張ってください！ (2018年3月7日 22時) (レス) id: a615484a47 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめるそーす(プロフ) - 影猫さん» 了解ですっ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 7e83d7a6cd (このIDを非表示/違反報告)
影猫(プロフ) - きゃらめるそーすさん» コメントありがとうございます。ついったでフォロー申請送って頂いた方でしょうか？誤操作で蹴ってしまったので、申し訳ございませんがもう一度送って頂けないでしょうかm(_ _)m (2018年2月23日 13時) (レス) id: 3f1a8429d6 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめるそーす(プロフ) - 影猫様のゾム氏がかっこよすぎて禿げそうになるぐらい悶えてますwこれからも頑張ってくださいっ！応援してますっ (2018年2月23日 13時) (レス) id: 7e83d7a6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：影猫
| 作成日時：2018年1月8日 18時
