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途中から全身真っ黒の人に運ばれつつ辿り着いたのは、立派な門構えの大きな屋敷だった。
ここが、鬼殺隊の本拠地なんだ。
「お墓は裏の庭にございます。ご案内致します」そう言ったあまねさんに、再びついていく。
すると、開けた場所に出てきた。
そこには、数え切れないほどのお墓が立っていて、全て綺麗に手入れされていた。
「天乃天之墓」と書かれた墓石の前に立つ。既に花が添えられていた。
無意識に身体の力が抜けて、その場にへたりと座り込む。
『……天さん、本当に死んじゃったんだ』
ぽつりと呟く。
まだ、実感がない。
でも、この沢山のお墓を見ると、否応なしに現実を突きつけられる。
『……っ、ぅっ……』
涙が溢れてくる。
胸の奥が痛くて苦しい。息ができないくらい辛い。
何度拭っても止まらない。
もう会えないんだと思うだけで、また泣きそうになる。私はただ、師範の顔を思い出しながら、静かに泣いた。
─────
翌日。私は最終選別が行われる藤襲山に来ていた。
藤の花に囲まれたこの場所には、十数人程の最終選別受験者が集まっていた。
そして、中央で女の子が最終選別について説明している。
──遂に、この時が来たんだ。
花札の耳飾りに手を添える。
鬼殺隊に入って、必ず仇を討つ。ここで死んでは絶対に駄目だ。
呼吸を整えるのとほぼ同時に、説明も終わった。
「──では、行ってらっしゃいませ」
その言葉と共に、受験者が一斉に走り出す。
遅れを取らないよう、私も人波に流れるように山奥へ向かっていった。
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天さんのお墓に先にお花を添えていた人物はご想像にお任せします。
また、Aはお墓の前で一通り泣いた後、お館様の元に案内され、そこで遺品(羽織など)を受け取っています。
前回の更新から書き方ちょっと変えてます!シリアスめな展開なのでちょっと硬い感じに…(?)
話を短くするために泣く泣くカットすることにした話(修行時代の話、遺品を受け取った時の話など)があるんですが、それは番外編みたいな感じで出そうと思ってます!
回想編めちゃくちゃ長くてすみません…あと数話で終わるのでお許しください…
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みこち(プロフ) - せんかさん» 大丈夫です。有難う御座います。 (5月12日 21時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
せんか(プロフ) - みこちさん» ありがとうございます!!了解しました〜!夢主ちゃんお話にいてもいいですかね…?() (5月12日 20時) (レス) id: 78ee830f0f (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - あの、可能でしたら、炭治郎が鬼の攻撃から玄弥を庇い、見た目其の儘に超絶美少女に変わり、知らずに兄貴の実弥が炭ちゃんに惚れて、事情を知らない兄貴を玄弥が呆れて止める…とか (5月11日 21時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
玲亜(プロフ) - せんかさん» ありがとうございます!待ってます! (5月11日 20時) (レス) id: d400c2c0a7 (このIDを非表示/違反報告)
せんか(プロフ) - 玲亜さん» 了解です!!かわいく書けるよう頑張ります!! (5月11日 20時) (レス) id: 78ee830f0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せんか | 作成日時:2023年3月16日 23時