北の国では2［ゴールデンカムイ］ (ページ36)

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85話ページ36

脚に一発撃ち込んだが

平太はびくともせず

杉元の腕に噛み付いた

そのままゴロゴロと転がって崖の下に落ちて行った

アシ「杉元！」

白石「アシㇼパちゃん！平太師匠はどこ！？この絵を見て！あいつは入れ墨持ちの脱獄囚だ！」

『とりあえず僕は杉元を助けに行くから、二人はそこで待っててくれ！』

下に降りると既に平太は杉元の横に倒れていた

『杉元！やったのか！』

杉元「いや…仕掛けの罠を自分から…」

首元には仕掛けの毒矢

アシ「杉元！無事か、」

平太「やった…アイツに勝ったぞ…」

白石「毒矢を抜かないと！アシㇼパちゃん！なんとかして！」

平太「いいんです、このままで…子供の頃にアイヌから聞かされたウェンカムイの話が怖くて怖くて、いつも空想していました…」

平太はそのまま、過去のことを話した

ヒグマの食いかけを家族が寝ているところに持って行ったら
家族がヒグマに食い荒らされた

ヒグマはアイヌの猟師に倒されて、平太だけ残されたらしい

平太「杉元さんが戦ってくれたおかげで、やっと私のウェンカムイを消すことができた」

僕が脈を確認する

仕掛け弓が首に刺さっていた時点で助かるはずもない

『…死んだ』

杉元「砂金への欲望が人生を狂わせたのか、あるいは砂金に狂わせる魔力があるのか」

その後平太の皮を剥いでアシㇼパさんが刺青人皮を広げる

アシ「この漢字は口でいいのか？」

杉元「うん、口だ。んでこっちはチとか…訓読みだとオだな」

杉元がアシㇼパさんに一文字ずつ教える

『杉元、腕は平気か』

杉元「ちょっと折れたかも、固定したし大丈夫」

白石「それにしても、まさか平太師匠が囚人だったとは」

杉元「でもこうやって新たな刺青人皮を手に入れたおかげで、本来の目的に立ち戻れたよ」

白石「危ない危ない、ハクの話しに我を忘れてしまった、チマチマと砂白金を集めてる暇は俺らにはねえぜ」

杉元「そうそう！先へ進まないとな！」

『ん…？平太のタバコいれ…』

僕が持ち上げると中から重たいものが落ちた

白石「うしゃしゃあああ！！」

杉元「じゃじゃああ！」

落ちたそれを白石と杉元が取り合ってる

砂白金だな…