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そのすすり泣く声に、ドアを開けることができなかった。捻っていたドアノブを再び元に戻して手を放し、何をすることもなくただ中から聞こえる会話に耳を傾けた。

だってこの声は、そらるさんだ。

いつもは大きいはずのそらるさんの背中が小さく見える。弱った彼は、椅子に腰かけながら背中を丸めて身を屈めていた。その怯えたような表情に心臓が締め付けられた気がした。



そら「ごめん、皆ごめん……俺が、断れなかったばっかりに……っ」



歌詞「そらるくんの為じゃないよ。何があったか、みんなには僕から話しておくから……」



そら「いい、いいよ……大丈夫。俺から、皆に話すから、大丈夫……」



『そらるさん……』



思わず呟いてしまった名前に、歌詞さんが振り向いた。

気付かれてしまったようだ。

そして口パクで「おいで」と言って、こっちに困ったような笑顔を向ける。それに従い静かに部屋へと入って、黙り込んでいるみんなを見回した。

るったんとまふくんはそらるさんを一点に見つめて心配そうに顔を歪めていた。96ちゃんは力み過ぎて爪が肌に食い込んで赤く腫れていたので、私は彼女を安心させようと、上から包み込むように抱きしめる。

その小さな身体から、震えが伝わってきて思わず彼女の名前を呼んだ。



まふ「もういやだ……!こんな……っこんなの、可笑しいですよ……!!」



理性を保てなくなったまふくんが、吐き出すように叫んだ。

いきなりのその威圧に、肩を揺らして驚く。
96ちゃんも驚いたようで、滲んだ瞳から静かに涙を流した。

何も気にしていない様子の彼は泣きそうだった顔から感情をなくして、無表情でそらるさんへと向き直った。



まふ「やられてばっかりは性に合わないし……僕からも一つ提案させてもらってもいいですか」

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すだち - 凄く好きです!! (2019年4月17日 22時) (レス) id: 396e5bf3b0 (このIDを非表示/違反報告)
liar(プロフ) - 二度めのコメント失礼します。「そのために一緒に繰らしてるんでしょ」というページ43の文ですが、暮らすではないでしょうか。何度もすみません。面白い作品なので。コメント失礼しました。 (2019年3月29日 19時) (レス) id: 1ccf5e95e0 (このIDを非表示/違反報告)
しらす - 髪の毛ぐしゃぐしゃにするさかたん可愛い。「嫌いじゃないよ」って言われたとたん笑顔になってご飯食べるさかたんも可愛い。結論:どっちの作者も神 (2019年3月26日 8時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
starlily☆(プロフ) - liarさん» liarさん、教えて頂きありがとうございます。すぐに直してきました。 (2019年3月24日 16時) (レス) id: f931f235d1 (このIDを非表示/違反報告)
liar(プロフ) - コメント失礼します。とても面白く読ませていただいていますが、ページ41の「福用していることを」の文ですが、「福用」ではなく「服用」ではないでしょうか。 (2019年3月24日 16時) (レス) id: 1ccf5e95e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュリンク&starlily x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年11月22日 17時

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