【歌い手】期待して損した。

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坂田はお皿を片付けたあと、部屋掃除してくる！、と先程発言したことを有言実行しにリビングを出ていった。



とうとうリビングで１人になってしまった。



今思い出せば、このリビングでは色々な事があった。



誰かの誕生日を祝ったり、食器を落として粉々にしてしまったり、


時にはライブの打ち合わせもした。



リビングに置いてある大型のテーブルは皆で選んだもので、ちゃんとシェアハウス全員分の椅子が並んでいる。



何年も同じ位置でご飯を食べてきた。


１人増えることで少し幅が狭くなるかもなぁ……なんて考える。




食器だって何だって、この家に住むときに皆でお揃いにして、全員が全員このシェアハウスのメンバーだってことを示していた。




ちなみにお揃いにしようと言ったのはまふ君とうらたさんである。


今思えばシェアハウスを始めると決まって１番嬉しそうにしていたのもその２人だったかも。


きっとこのメンバーだったから喜んでいた、みたいなところもあるのだろう。



だからこそ、余計に新入居者を認められないのかもしれない。




過去のトラウマへの恐怖、以外にもこのシェアハウスのメンバーの関係を壊される不安もきっとある。



私だってそうだ。


今あるこの環境が１人の人間によってごちゃまぜになって、全部なくなってしまうんじゃないかって……怖くて怖くてたまらない。



でも、怖がってても仕方がない。


どうせ明日には来てしまうんだから。






だったら今、私の最大限に出来ることをやるしかない。

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