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いまいちお肉の味はわからないまま、あっという間に焼き肉食べ放題の時間は終わってしまった。
お店の外に出て全員で記念撮影をして、それでもみんなまだ名残惜しいのか駄弁り続けてる。
「Aさん」
店の外壁近くでその様子を見てると、平野くんが話しかけてきた。
店内からの僅かな明かりに照らされた彼はくい、と顎を引いて見上げるようにして携帯を軽く振る。
「LINE交換しない？」
「あ、いいよ」
「やった。俺出すから読んで」
画面を操作してQRコードを出す平野くんに、私も携帯を開いてそれを読み取る。
小林にあんなことを言われてから少し警戒していたけど、なんだ全然普通じゃん。
「遊ぶ約束の連絡とかこれでしていい？」
「……遊ぶ約束？したっけ」
「あっ違う！お礼！お礼だ」
平野くんは間違えた〜と照れたようにくしゃりと笑う。
遊びにつれていってくれるつもりなのだろうか、と少し驚く。何かおごってもらうとか、そういう程度かと思っていたんだけど。
「二次会行く人！」
そう大きく言った男子にクラスメイトが半数近く集まっている。どうやらカラオケに行くらしい。
「平野くん行く？」
「どうしよ。俺あんま歌うの好きじゃないんだよね、この声だから」
そう言って苦い顔をする平野くんに、男子の塊から紫耀も来いよ！と声がかかる。
そう言われたら、ほらやっぱり、平野くんはえーと言いながらも向こうに行った。
「Aどうするー？」
「帰る〜」
集団の端から小林に聞かれて、少し考えてそう返した。
私も歌はあんまり得意じゃないし、今日は疲れたし。他にもちらほら帰る子はいるし、いいかな。
「じゃ、一緒に帰ろうや」
すっと隣に並んだ気配と降ってきた声に、心臓が高鳴った。
「永瀬、くん」
目を丸くする私に、永瀬くんはん、と軽く口角を上げた。
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結愛(プロフ) - 突然すみません。以前他の方の小説を書かれていませんでしたか...？久しぶりに来てみたら大好きだった作品がなくなってしまっていて、頼さんをお気に入り登録していたのでもしかしたらと思いまして...。人違いやご不快に思われたらすみません。 (2020年7月23日 3時) (
レス) id: 515c739cb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頼 | 作成日時：2019年10月4日 23時
