【男主】人質はっぴーらいふ【ﾜﾝﾋﾟｰｽ】 (ページ7)

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【Aside】

ザァ…と丘の上を風が通り抜けた。

｢さてと…行くかぁ｣

来た道とは反対側に下りる。

店が並ぶ向こう側と違って静かだけど、十分に生活していけるだけの環境は整っている。

｢あらぁ！Aちゃんじゃないの！｣

そう声をかけてきたのはパン屋のおばさん。

｢あは、久しぶりぃ～｣

それから、肉屋のおじさんとかお菓子屋のお嬢さん、酒屋のお兄さん…色んな人が集まってきた。

懐かしい面々に、自然と頬がほころぶ。

｢いやぁ、こんなに貰っちゃっていいの？｣

皆から貰った食料やらなんやらを両手いっぱいに抱えてそう言うと、

｢当たり前だろ｣ってお兄さん。

｢にしてもねぇ、村イチのマイペース野郎が海兵だなんて…｣

｢もぉ、俺がかえって来る度に言うね～？｣

お兄さんと俺のやり取りに皆が笑った。

あー、やっぱいいなぁ地元…

｢んじゃ俺そろそろ行くねぇ｣

村人たちに別れを告げ、先に進む。

｢ふぁ…やっと着いたぁ｣

港から遠すぎない？寄り道しまくったからってのもあるけど。

くすんだ赤い屋根の小さな一軒家。

庭を囲うように気で作った柵。

懐かしい我が家。

｢えっ｣

ふと声がし、その方を見ると、声の主とバッチリと目が合った。

｢おぁ…ただいま？｣

…その数秒後、村中に響き渡る少女の声を聞かなかった者はいなかったという…。

｢え！え！！きゃあー！！！｣

｢うっるさ…っ！はいはい、ただいま～｣

声の主は実の妹。

その声に驚いて外に出てきた家族。

｢あら！Aじゃないの！おかえり！｣

｢ただいま母さん。あっこれ村の人達に貰った｣

｢あらまたぁ？ほんっと、あんたはモテモテだねぇ｣

そう笑いながら荷物を受け取る母。

｢おぉ、おかえり｣

｢ただいま、親父｣

多くは語らない、不器用な父。

｢まぁそろそろだとは思ってたけどね｣

｢おぉう、流石だな～｣

少し理屈っぽいけど3兄妹で1番賢い弟。

｢ワンっ！｣

｢うぉーただいまイヌ～！｣

一番可愛い(

｢いやぁ、みんな元気そうで良かったよ｣

｢今回はどのくらいいるの？｣

｢んーん、1晩泊まる～。朝方迎えが来る。実は今海賊船にいるんだよね俺｣

それから色々話をした。人質(仮)のことも。

久しぶりの家族団欒を楽しんだのだった。

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