【男主】人質はっぴーらいふ【ﾜﾝﾋﾟｰｽ】 (ページ3)

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【夢主side】

みんなで賑やかな夕食。

立場とか、そういう壁ぶち壊しのこの時間、俺好きだなぁ…

｢Aさん、大丈夫っすか？今日ペース早いっすね｣

んー、そういえばちょっと呑み過ぎてるかも。

｢ありがと下っ端くん。ちょっと外行ってくるね｣

甲板に出て夜風にあたる。

｢きもち～…にしても、朝晩は冷えるなぁ｣

日の照っている昼間は少し汗ばむこともあるけど

さすがにもう秋だもんなぁ。

……ん、秋？

｢Aさぁーん、水持ってきましたー！｣

｢お、ありがとう～……ねぇ、今日何月何日？｣

急に聞かれたもんだから一瞬戸惑う下っ端くん。

｢えぇと……10月9日です｣

9日…？！

｢ありがと下っ端くん！｣

そう言い終わる前に俺は走り出していた。

夕食は終わったらしく目的の人物は既に部屋に戻ってしまっていた。

俺は精一杯、こんなに早く走れたんだってレベルっ走った。

突き当たりを曲がった所にあるヤツの部屋。

一際目立つ重いドア。それを思いっきり押し上げる。

｢キッド!!｣

バン、と大きな音を立てたので顔を顰めてこちらを見るキッド。

｢なんよだ騒々しい……｣

｢今すぐ南の海へ！｣

｢は…はぁ……？｣

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南の海(サウスブルー)にある小さな村。

丘の上の灯台から見えが海が大好きだった。

そこが俺の出身地。

で、なんで今すぐ帰りたいのかっていうと

｢墓参り…｣

俺の騒ぎようを見ていつの間にか来ていたキラーがそう呟いた。

｢うん、まぁ身内ってわけじゃないけど…ちょっと長くなるけど、いい？｣

頷く二人に小さく微笑みかけ、こう続けた。

｢昔々、俺がまだに海兵になる前の話｣

当時、俺は今以上に自由気ままで無気どな子供だった。

手先が器用だが性格は不器用な父と、男前だが病弱な母。それから、我儘な妹としっかり者な弟。

あとは犬が1匹。

あいつにもちゃんとした名前あるのだけれど、俺はイヌって呼んでる。

そんな家で俺は育った。

裕福じゃなかったけど、特に不自由なく暮らしていた。

…ただ、それもずっとは続かなかった。

ある朝、母が倒れたのだ。

持病が悪化したらしい。

それから村の医者に診てもらった。

手術が必要だと言われた。

でも、うちにはそんな金なかったんだ。