吸い込まれてく ページ11
「Aちゃん……?」
「ねぇ‥僕にもお世話してくれる?」
思考がフリーズした……。どう返事すれば良いのかとかじゃなくて緑川さんの声、表情、瞳……全てに吸い込まれてしまった。
「ちょっと!緑川さん、店員さん困らせちゃダメですよ!」
さっきの男性が緑川さんに困ったよう言った。
それで、私の思考もやっと動きだした。私は、苦笑いしながら
「だいぶ酔ってますね。緑川さんも(笑)」
と言った。
「えー、酔ってないよ〜?安元君も酷いなぁ…僕Aちゃんに迷惑なんかかけてな……(。-ω-)zzz」
あ、寝ちゃった……( ̄▽ ̄;)
「ちょっと!?Σ( ̄□ ̄;)えー!うそでしょ?緑川さんまで寝ちゃったら流石に連れて帰れませんよ!?」
え‥これだけの寝てる人達連れて帰るつもりだったの……?この安元さんって人凄い……
「大丈夫ですよ。こちらで車を手配して……!?」
ぐいっと何かに引っ張られて体が傾いた。見ると、それは緑川さんが私の服の袖を引っ張っていた。
緑川さん!?驚き過ぎて声がでなかった。
「ありゃりゃ……。すいません、その人明日、仕事無かったので遅くなると思いますが、後から連れて帰れます………」
「そんだけの人数連れて帰んの大変だろ?お客さんが良いならうちに泊めてってやるよ。」
安元さんがため息をついていると、店主がひょっこり顔を出して言った。
すると、安元さんの顔は助かったとでもいうようにキラキラし始めた。
「申し訳ないですけど………すいません、お願いします。」
安元さんはタクシー2台に人を押し積めて入れなかった人達をお店に置いていった。
緑川さんも置いて行かれました………(笑)
店主は、お店に置いていかれた人達をお店の個室とスタッフの休憩室に布団をひいて寝かせた。
それでも………緑川さんは何故か私の服の袖を離してくれない!
嫌じゃないけど………緑川さんの寝顔見れるし……
けど…けど………!
恥ずかしいよ−−!
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作者名:坂田実 | 作成日時:2017年4月12日 18時