5.絶好の好機 ページ7
先ず云えるのは、私が此のままの状態で居たら、直ぐに死.ぬ、ということだ。
衝動に任せてうずまきに入ったところ、現在の所持金は300円ちょっと。
おまけに住むところや今着ている服以外の衣服は無し。
見た目は小学生なためバイトも出来ない。
それこそ詰みゲーだ。
其れを回避するには、探偵社に入社する他無い、というわけだ。
問題は、武装探偵社の人間と如何接触するか。
また、誰に接触するかということ。
下手に国木田さんにでも接触しようものなら、子供の遊び扱い、最悪迷子として軍警行きだ。
それは避けたい。高校生にもなって迷子は嫌だ。
なら、如何するか。
人当たりのいい敦君や谷崎君、もしくは頭脳派の乱歩さんか太宰さんに直接会うしかない、というわけだ。
そして今は絶好の好機だ。
此を逃してはならない。
私は再び姿勢を正し、敦君が出てくるのを待った。
*
カラン……とベルを鳴らし乍、うずまきを出てきた。
私は無邪気そうな笑顔を作り、敦君に駆け寄った。
「ねぇねぇ、お兄ちゃん!」
敦君は少し吃驚し乍も、此方を振り返り笑顔で答えてくれた。
「如何したの?」
「お兄ちゃんって、武装探偵社の人だよね!」
「う、うん。最近入社したばかりだけど。其れがどうかしたの?」
「えーっと…」
あ、入社方法考えてなかった。
まぁ、仕方ない。こうなったら…其のまま通すしかない。
「太宰治さん?か、江戸川乱歩さん、居るかな?」
「太宰さんか乱歩さん……一寸待ってね。確かめてくるよ。……一応、名前と用事を伝えるから教えてもらっていい?」
「うん!私は、一条Aだよ!用事は、本人に直接云いたいんだけど……駄目?」
首を傾げて聞いてみる。
此処で用事を云って連れてきて貰えなかったら如何しようもないからね。
敦君は、余計な詮索をせず、探偵社へと駆け足で行った。
私は、上手くいったことに対してニヤリと笑った。
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月城捺樹(プロフ) - 紅夏さん» 有難う御座います!更新させていただきました! (2018年5月14日 16時) (レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
紅夏(プロフ) - 面白かったです!これからも更新頑張ってください! (2018年5月1日 23時) (レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
月城捺樹(プロフ) - 1つ1つ返せなくてすみません!沢山の方から期待して頂いてとても嬉しいです。遅くなりましたが更新させていただきました。 (2018年2月24日 21時) (レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
みっく - とても面白いです!応援してます、更新期待してます (2018年2月21日 18時) (レス) id: c025c89ca4 (このIDを非表示/違反報告)
蛍原(プロフ) - このような内容の作品大好きです! 次の話を期待して待機してます(●´ω`●) (2018年2月19日 23時) (レス) id: 5ee87af96c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月城捺樹 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年10月14日 18時