38.作戦成功 ページ40
中也さんに見せた手の上には……
「黒い……球体？」
「はい。此れにメモを埋め込み、遠隔から太宰さんにぶつけました」
「あの時か……！」
私は食事の時に5分程席を立っていた。
その時に、トイレの換気口から此れを飛ばしていたのだ。
中也さんが舌打ちしする。
「俺に勝ち目はなかったって訳か……」
私と太宰さんはニヤリと笑う。
其れを見て中也さんはムカつく所がそっくりだな、何て呟く。
「中也さん、それは酷いです。
太宰さんとそっくり何て……私は一寸悪戯が好きなただの幼女ですよ」
「Aちゃんのは悪戯とは云わないよね」
さて何のことでしょう
態とらしいとぼけた表情で答える。
中也さんの前迄行き、ショルダーバッグを返してもらう。
「さて、そろそろ帰りましょう太宰さん
中也さん、ご馳走様でした。プライベートであればまた誘って下さい」
手を振り乍歩き出す。
流石に振り返してくれるような事は無かったが、何となく目でまたな、と云っているように見えた。
「水分不足ででカピカピに成って死んじゃえー」
「俺は蛞蝓じゃねェ！」
子供か。
しかもそれで伝わるんですね、中也さん。
中也さんを煽り続ける太宰さんを引っ張り乍、その場を後にした。
「全く……昨日の今日で、また中也に逢うとは……
最悪何てものじゃないね」
「でも、その割にはずっと中也さんを相手にしてましたよね」
そう言い、太宰さんを横目で見てみればとても嫌そうな顔をしている。
珍しい表情が見れた、と少し嬉しく思った。
太宰さんは一度此方を見たが、すぐに視線を戻した。
「Aちゃん、最近云うようになってきたよね」
「そうですか？元々こんな感じでしたよ」
塀の上をのんびりと歩いている猫に目を向ける。
猫撫でたいなぁ……。そういえば、結局あの後猫撫でられてないし……
「最初は、『イイコ』って感じだったけど……
最近は本性出てきた？」
「何ですか、それ」
そう云って笑う。
然し、太宰さんの云うことも当たっているように思えた。
何となく、足元に転がっていた小石を蹴る。
意外と勢いがついていたようで、電信柱に強く当たった。
「そうだ、太宰さん聞きます？
中也さんを弄った時の反応」
「勿論」
その後、中也さんの黒歴史を聞きながら探偵社寮へと戻った。
此れでまた中也さんを弄るのが出来たと思う反面、こういう所が太宰さんに似ていくんだろうなぁと思ったが、気にしないことにした。
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月城捺樹(プロフ) - 紅夏さん» 有難う御座います！更新させていただきました！ (2018年5月14日 16時) (
レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
紅夏(プロフ) - 面白かったです！これからも更新頑張ってください！ (2018年5月1日 23時) (レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
月城捺樹(プロフ) - 1つ1つ返せなくてすみません！沢山の方から期待して頂いてとても嬉しいです。遅くなりましたが更新させていただきました。 (2018年2月24日 21時) (レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
みっく - とても面白いです！応援してます、更新期待してます (2018年2月21日 18時) (レス) id: c025c89ca4 (このIDを非表示/違反報告)
蛍原(プロフ) - このような内容の作品大好きです！ 次の話を期待して待機してます(●´ω｀●) (2018年2月19日 23時) (レス) id: 5ee87af96c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月城捺樹 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年10月14日 18時
