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13.乱歩さん ページ15

「んー?何?」

棒付きの飴を加えて乱歩さんが振り向く
其れを特に気にする様子もなく国木田さんは続けた。

「先刻話した少女で名は一条Aです」

「ふぅーん」

特に興味がなさそうだった。
まあ、そうだろうとは思ったけど。

「君、何時からそうなった?
それまでの記憶は?前日に何があったか覚えてる?」

「えっと……
なったのは今朝からで前日はぼんやりしてますが特に変わったことは無かったかと。」

いきなり質問されたが、前迄はこんな事しょっちゅうだったので普通に答える
ジーっと乱歩さんに見られ、ふっと乱歩さんが云った。

「買い物行かない?」

「は?」

思わず低い声が出る。
すみませんと謝ったあと、乱歩さんに理由を聞く



……つもりだったのにじゃあ行くよー!と手を引っ張られ敵う筈もなくズルズルと引き摺られた。









くっそ痛い。何なのかな、逃げるのかとでも思ってるのかな
成人男性力めっちゃ強いよ。

乱歩さんに引き摺られて歩く。
何処行くんだろ……

「此処入るよー!お腹すいたし!」

喫茶店のドアを押し乍云う。
拒否権無いしね。

「取り敢えず、紅茶二つと苺パフェ宜しくね!」

勝手注文をして居たが、もう気にしないことにした。

直ぐに注文した物が来て、乱歩さんが美味しそうに食べている。
私は紅茶を啜り、じっと乱歩さんの方を見つめた。

「んー?パフェはあげないよ?」

「あ、結構です」

「……僕が何したいか、分かって付いてきたんでしょ?」

そう問われた。
勿論わかっている。乱歩さんがあんな嘘に簡単に引っ掛かるなんて思っていない

私の嘘には、穴が多すぎるから。

「何が聞きたいんですか?乱歩さん」

「そうだなぁ……先ずはあれかな」

彼はパクっと真っ赤な苺に食いつき、じっと私を見つめる。


「君は何者?」

「其れは……如何云う事で?」

質問に質問で返す
怪しい返答の仕方だとは思ったが、其所迄配慮する余裕は無かった。

「君、まだ隠し事してるよね?
太宰にも話していない。そうだろ?」

「……。」


「敦君から聞いたんだけど、探偵社に入る時僕と太宰を名指しで呼び出したんだって?
然も、ほんの数日前に入社した敦君が探偵社員だって事も知っていた。
一般市民にしては知りすぎてない?

君は、何者だ」

乱歩さんの鋭い目が私を見据える。
矢張りこの人にはかなわない。

「____あなたの目は誤魔化せませんか。
まあ、分かってましたけどね



誰にも云わないで下さいよ?」

14.買い物→←12.初仕事



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月城捺樹(プロフ) - 紅夏さん» 有難う御座います!更新させていただきました! (2018年5月14日 16時) (レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
紅夏(プロフ) - 面白かったです!これからも更新頑張ってください! (2018年5月1日 23時) (レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
月城捺樹(プロフ) - 1つ1つ返せなくてすみません!沢山の方から期待して頂いてとても嬉しいです。遅くなりましたが更新させていただきました。 (2018年2月24日 21時) (レス) id: b10180abe7 (このIDを非表示/違反報告)
みっく - とても面白いです!応援してます、更新期待してます (2018年2月21日 18時) (レス) id: c025c89ca4 (このIDを非表示/違反報告)
蛍原(プロフ) - このような内容の作品大好きです! 次の話を期待して待機してます(●´ω`●) (2018年2月19日 23時) (レス) id: 5ee87af96c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月城捺樹 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年10月14日 18時

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