報告会 ページ20
「敬語はよそう。」
『何度も言いますが、身分的に無理な話です』
広い教室
中央に立つ私と
特等席に座るグルッペン様
「それで?
今回はどんな【報告】があるんだ?」
『急かさないでくださいよ!』
くくくと笑うその姿に
一瞬だけ殺意が芽生える気がした。
この関係が始まったのは今から数年前
私が9つの時
いつもは他人行儀な彼が
唯一私に素を見せる瞬間
ーーーー
「なぁ、A」
『なんでしょう?グルッペンさま』
「君らは...何を企んでいる?」
『...なにをお気付きで?』
廊下に響くやや高い男児の声
そして、その声とは似つかないほど
疑うような視線
「ヴィアラについてだ。
あいつは俺とお前の対応が違いすぎる。
それに、使用人や平民の対応のしかたも違う。」
「俺と共にいるヴィアラは、笑顔を見せたことがない
平民や使用人、お前への当たりは強い。
しかし、だ。」
そこで言葉を止めた男児は
心の底から不思議だと言うような顔で
顎に手をあてた
「この前報告なしに来たとき
ヴィアラは使用人に笑顔を見せ、平民に優しく接し
お前を愛らしいものを見るような瞳で見ていた」
「そして、ヴィアラはこういっていた」
伏せていた瞳を上げ
私をまっすぐ見つめる
冷や汗がたらりと
背を伝った
「「まだ【原作】に入ってはいない」、と」
「【原作】とはなんのことだ?」
バレた
まだひねくれていなかった私は、
素直にグルッペンさまに話した
『誰にも言わないと約束してください』
「あぁ、約束しよう」
ーーーー
それから始まったのが
数ヶ月に1度か開かれる【報告会】
当時はお嬢様に忠誠を誓ってなかったとは言え、
今になっては中々大罪なことをしたと
後悔している
『お嬢様が本格的に【悪役】を始めました』
「まぁ、時期的にそうだろう。
...対策でもたてるか」
ぼそりと呟いたその言葉は
私にとっては聞きなれた言葉。
グルッペン様が【原作】を知ったことで
お嬢様の言う【原作】とは少し違う展開になっている
それは、
ー「【原作】では、グルッペンは私に嫌悪感を持っているの」ー
ー「俺がヴィアラを嫌い?そんな訳あるか。」ー
ー「誰よりも、ぁ、愛して、いるゾ...」ー
グルッペン様がお嬢様に
恋愛という意味の愛情を持っているということ。
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春 ~約束の鬼滅消防隊~(プロフ) - う〜ん…………ド☆タ☆イ☆プ しゅき でもこういう系の作品って少ないっすよね。 まぁ 私がこの作品を好きだってことだけでも覚えてもらえれば嬉しい限りです。 (2021年4月30日 20時) (レス) id: f96cd92774 (このIDを非表示/違反報告)
美千代(プロフ) - 断罪された後のお嬢様とgr さん、niさんがみてみたいです! (2021年2月5日 16時) (レス) id: 969193beea (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこ(プロフ) - 初コメ失礼します!国外追放をさせたときのgrさんの心境的なのが、ほしいです!あと、なぜ、このような結果になったのか詳しく知りたいです! (2021年2月5日 3時) (レス) id: c533be7b64 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 置いていかれないendが見たいです!niさんと3人で仲良くしてくれ!!お嬢様にとっても夢主の存在は必要不可欠である所見たいです! (2021年2月5日 1時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
アクアマリン(プロフ) - こんにちは奈飴亜さんendですが断罪されるところで思いだし真実を話すendが見たいですいつも楽しませてもらっていますこれからも頑張ってください (2021年2月4日 21時) (レス) id: 95d32f4447 (このIDを非表示/違反報告)
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