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「オイ、本当にお前はそれでいいのか?」


「むぅ、一体何のことだ?」


「今日一日お前はずっと黙って見ているだけだったじゃねぇか。」


「だから一体」


「呆けるんじゃねぇ、Aの事だよ。それにお前、昨日散々俺に説教したじゃねぇか。」


「君には既に三人いるだろう?…君を悪く言っている訳ではない。気は悪くしないでくれ。」


「あぁ、気にしねぇよ。それで、お前はそのままで良いのか?…うかうかしてると他の奴に取られちまうぞ。」


「……」


「ちゃんと気付いているんだろ?自分の想いに。」


「………初めて、なんだ。」


「え、お前まさか初」


「あの子は、俺の事等見ていない。でもそれでも良い。あの子が幸せなら、それで。」


「へぇ、それがお前の本心か。」


「……黙っていてくれると有り難い。」


「お前は 自分の事なんて見ていない、今後ともそういう事はない、可能性は無いと思っている。


でもそれがなぁ、意外とどうにかなっちゃうもんなんだよなぁ。」


「何をする気だ?」


「なに、少し手伝ってやろうって話さ。」


「断る。」


「即答かい。…全く、大船に乗った気持ちでこの恋愛を司る神(恋愛マスター)に任せなさい。」


「必要ない。」


「お前だって分かっているだろ? 俺達は何時死んでも可笑しくはない。だからこそ早めに想いは打ち明けるべきだと思うぜ。


後悔する前に。


まぁ、振られたら慰めに酒ぐらいは付き合ってやるからよ。一度ぐらい、ド派手にやっちまおうぜ。」


「……」


「ほらよ。」


「これは…」


「然り気無く誘って行ってこい。必要なら、俺等が幾らでも協力してやる。」


「…だが、」


「もう深く考えるな。お前はお前の気持ちに従え。」


「……」


「心配なら俺が心得を教えてやろうか?」


「…君は絶対に余計な事まで教えてくるだろう?」


「よく分かったな。流石俺の親友だ。」


沈黙が訪れる。だがもう答えは出ていた。


「宇髄、有り難う。君のお陰で覚悟が出来た。」


「俺はただ吹っ掛けただけ。後は煉獄、お前次第だ。…頑張れよ。」


太陽の下で、二人の男が笑い合う。彼等は互いの健闘を祈り合って、別れ歩いて行った。

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mikki-(プロフ) - 酸漿さん» ひぇ……お友達さん絵が上手すぎやしませんか????貴方の作品もお友達さんの絵も好きです応援してます!! (2019年7月29日 19時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - mikki-さん» 友達が書いてくれたものです。登場人物紹介に載せているのは、角&耳っこメーカー様からお借りしたものです。紛らわしくてすみません。 (2019年7月29日 19時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
mikki-(プロフ) - 初めまして。質問なのですが、表紙のイラストは酸漿様が描いたものなのですか?教えて下さい (2019年7月29日 18時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - 金糸雀さん» その通りです。夢主の母を鬼にしたのも彼です。彼は自ら会いに来るまでは待つ、という約束を律儀に守っています。 (2019年7月7日 20時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - まさか、過去の話に出てきて鬼は上弦・壱ですか? (2019年7月7日 1時) (レス) id: 359e27b0ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:酸漿 | 作成日時:2019年6月16日 19時

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