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參拾 ページ32

とうとうこの日が来た。


鬼殺隊の頂点に立つ剣士、柱が半年に一度集まり行われる会議、その名も柱合会議。


彼に会えるこの日を、ずっと待ちわびていた。


隠に下ろして貰い、実弥と二人で屋敷の庭まで歩いていく。


其処に、彼等がいた。


「おぉ! Aに、不死川とは初めて見る組み合わせだな!息災であったか!」


「あァ、お陰様でなァ。」


真っ先に声をかけてくれたのは煉獄さんだった。初めて会う人もいる中でそれは心強い。


小さく息を吸い込み、柱の方々全員に聞こえるよう声を張り上げる。


「先日柱に着任しました、暉柱の暉峻Aと申します。まだまだ未熟者では御座いますが、何卒宜しくお願いします。」


…緊張した。するとパチパチと手を叩きながら丈の高い男が近寄ってきた。


「久しぶりだなぁ、A。元気にしてたか?」


「お久しぶりです、宇髄さん。」


「Aは宇髄とも知り合いだったのか!」


「えぇ、藤の家で一度お会いしたので。」


「そういうことだ。…にしても、A。この数ヵ月で中々良い顔するようになったじゃねぇか。」


彼はぐっと顔を寄せ、耳元で囁いた。


「俺の嫁にならねぇか?」


カッと顔が真っ赤に染まる。揶揄わないで下さい、と慌てて回してきた手を払い除ける。


「…宇髄、それは一体どういうことか教えて貰おうか。」


「え、ちょっ、煉獄、おま、まさか」


ずるずると煉獄さんに引きずられていく彼を見届け、女性二人の元に向かった。


「しのぶちゃん、久しぶり。」


「ええ、お久しぶりですね。」


「あら、貴方がAちゃんね! 私は恋柱の甘露寺蜜璃です。宜しくね!」


桜餅のような髪色の、少し露出が激しいが可愛らしい女性だ。


「はい、宜しくお願いします。それにしても素敵な髪色ですね。」


「きゃあああ! 嬉しいわ!」


ぴょんぴょんと跳び跳ねる姿は無邪気で可愛らしい。其処でふと視線を感じた。


肩に蛇を乗せ 木に登っていた、確か蛇柱の伊黒という男がじっと此方を、というよりも甘露寺さんを見ていた。


目が、合う。


そしてその瞬間、何となく勘づいてしまう。


「頑張って下さい。(口パク)」


「余計なお世話だ。(此方も口パク)」


後は、と視線を巡らせれば隅の方に一人で立つ見知った青年を見つけた。


やっと会えた。駆け寄ろうとすると、ある者に肩を掴まれ止められてしまった。

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mikki-(プロフ) - 酸漿さん» ひぇ……お友達さん絵が上手すぎやしませんか????貴方の作品もお友達さんの絵も好きです応援してます!! (2019年7月29日 19時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - mikki-さん» 友達が書いてくれたものです。登場人物紹介に載せているのは、角&耳っこメーカー様からお借りしたものです。紛らわしくてすみません。 (2019年7月29日 19時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
mikki-(プロフ) - 初めまして。質問なのですが、表紙のイラストは酸漿様が描いたものなのですか?教えて下さい (2019年7月29日 18時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
酸漿(プロフ) - 金糸雀さん» その通りです。夢主の母を鬼にしたのも彼です。彼は自ら会いに来るまでは待つ、という約束を律儀に守っています。 (2019年7月7日 20時) (レス) id: 511b02f073 (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - まさか、過去の話に出てきて鬼は上弦・壱ですか? (2019年7月7日 1時) (レス) id: 359e27b0ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:酸漿 | 作成日時:2019年6月16日 19時

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