ニュートと迷い ページ8
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「……元気無いな、メラ」
目の回るような建物が、競い合うように密集してそびえ立つ。
年代物の鳩小屋を見ていたジェイコブが、手持ちぶさたのメラに気付いて声をかける。ボーッとしている様子に一瞬、怪我が痛むのかと心配になったが、彼女の視線の先で何かを察した。
「──あと捕まえなきゃいけないのは「デミガイズ」のドゥーガル」
「ドゥーガル？」
「ちょっと困ったことに……ん、あいつは目に見えないんだ」
「目に見えない？」
「……あの二人、処刑の時に何かあったのかな」
「……知らない」
知らない。知るわけ無い。メラは何故か苛立っていた。──いや、「何故か」じゃない。分かってる。
ニュートとティナの間に、不思議な絆が産まれている。それも、自分の知らないところで！目の前の光景がどうしてももどかしくて堪らないのは事実だった。
けれど、ニュートはトランクに入ってすぐ──ティナではなく自分に声をかけ、心配してくれたのに、それを突き放したのもまた紛れもない事実だ。
一方的な喧嘩はいつもの事だけど、仲直りもせずにニュートに背を向けたのは初めてだった。少し傷付いたみたいな表情が、ちらちらと頭を過って話しかけにも行けない。
完全にぶすくれているメラに、ジェイコブが控えめに問い掛ける。
「謝りに行きたいんだろ？ニュートに」
「……完全にタイミングを逃したの。あと……そうね。今私、マスターと普通に喋れないわ、きっと」
堂々巡りの思考だった。
──自分は彼と一緒に居ちゃいけないのかもしれない。
自分のせいで彼に何かあったら？
でも、どこにも行ける場所なんて無い。彼が居場所で全てで、それに微塵も不満なんてなかった。
──1人になればいい？でも離れる理由は？
優しい彼を傷付けず、誰かを見捨てられない彼が納得し、欲を言えば恩を返せるような、そんな理由はどこに？
「……自業自得よ、全部言い訳」
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とーふ(プロフ) - 心情の変化を細かく描いてくださっているので、場面が変わるごとに私自身も感情が変わってました笑 素敵な作品をありがとうございます。少しずつ関わり方も変わるのかな？と思いながら、更新を心待ちにしております！ (2022年4月10日 0時) (
レス) @page31 id: ab5a3330b3 (このIDを非表示/違反報告)
時々雨(プロフ) - スクイブってマグルにも魔法族にも何にもなれぬとても難しい位置にいるんだと感じました。なかなか進展しなそうな難しい恋ですね、これからどうなるのか楽しみです♪ (2022年1月29日 8時) (レス) @page31 id: 6532c97378 (このIDを非表示/違反報告)
Kaede.0807(プロフ) - めっちゃ好きな作品です!更新楽しみに待ってます!! (2020年11月15日 20時) (レス) id: 3d85b18928 (このIDを非表示/違反報告)
nasiremon - 取引のところで泣きました……夢主の気持ちが心に刺さりました……あとニュートがかっこいい……更新頑張ってください！！ (2020年6月17日 23時) (レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます！私事で更新が間延びしてしまいましたが、これからものんびり更新していく予定です！ニュートと夢主の行く末を何卒これからもよろしくお願いします！！ (2019年10月22日 17時) (レス) id: 3d953e5ca0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかこ | 作成日時：2019年2月3日 19時
