彼と彼女と ページ18
「──だって……違うかい？
メラの思う「心配」を本気で僕が恐れているのなら、君にずっと「トランクに居て」とお願いすれば良い話だ。
その方が君を確実に守れるって事も分かってた。分かった上で同行人を頼んだんだよ、メラ。損得じゃない。
君と一緒に色々なものを見れたらって──色んな世界や
僕は勝手にメラを娘みたいに思って、僕の事情で一緒に世界を回ってもらった。何とか切り抜けられたけど、危ない目にも何度も遭わせた。
───君がわがままなら僕だってそうだ。ニュートは困ったように眉毛を下げた。
「思っている事を声に出して伝える」。苦手まっしぐらのジャンルに苦戦しつつも言葉を重ねた彼はふと、その中にメラを怒らせるものがあった事に気付く。
「いや、娘っていうのはその──本当に感覚的なもので、メラが子供って意味じゃなくて、実は妹だっていいんだ……いや、そうじゃない。ただ、君は本当の家族みたいなもので、大切で──あぁ、何て言えばいいんだろう？」
とにかくお願い、泣き止んで。僕は君を泣かせたくない。
先程までの勢いはどこへやら。慌てて注釈らしきものを入れ始めたニュートは、恐る恐るメラの様子を窺った。
ほとんど懇願に近い最後の言葉に彼女は目を丸くして、涙の代わりに一度しゃくりあげる。水滴が一粒 頬の半ばで止まっているのを見て、彼はその長い指先でそっとそれを拭った。
……どんな時だって、こんな時だって、メラはニュートの困った顔に弱かった。彼はきっと、その理由はおろか弱味の存在にすら気付いていないだろうけれど。
「……ねぇメラ。僕との旅は嫌になった？僕と一緒に居るのはもう嫌かい」
「そ、の 聞き方は、ずるい。離れたくなかったって、さっき、言ったわ」
「君は僕のためを思って離れようとしてくれた。──だけど、君がまだ僕と居たいって言ってくれる方が何倍も嬉しいって。
君は自分を何も出来ない奴だと思い込んでるけれど、僕に出来ない事がいっぱい出来る。僕はずっとそんな君に手助けしてもらってたんだって、……そう言ったら信じてくれる？」
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とーふ(プロフ) - 心情の変化を細かく描いてくださっているので、場面が変わるごとに私自身も感情が変わってました笑 素敵な作品をありがとうございます。少しずつ関わり方も変わるのかな？と思いながら、更新を心待ちにしております！ (2022年4月10日 0時) (
レス) @page31 id: ab5a3330b3 (このIDを非表示/違反報告)
時々雨(プロフ) - スクイブってマグルにも魔法族にも何にもなれぬとても難しい位置にいるんだと感じました。なかなか進展しなそうな難しい恋ですね、これからどうなるのか楽しみです♪ (2022年1月29日 8時) (レス) @page31 id: 6532c97378 (このIDを非表示/違反報告)
Kaede.0807(プロフ) - めっちゃ好きな作品です!更新楽しみに待ってます!! (2020年11月15日 20時) (レス) id: 3d85b18928 (このIDを非表示/違反報告)
nasiremon - 取引のところで泣きました……夢主の気持ちが心に刺さりました……あとニュートがかっこいい……更新頑張ってください！！ (2020年6月17日 23時) (レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
みかこ(プロフ) - 皆様コメントありがとうございます！私事で更新が間延びしてしまいましたが、これからものんびり更新していく予定です！ニュートと夢主の行く末を何卒これからもよろしくお願いします！！ (2019年10月22日 17時) (レス) id: 3d953e5ca0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかこ | 作成日時：2019年2月3日 19時
