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羽田ターミナルからロータリーに向かい、迎えに来ていたリムジンの横に立っていた懐かしい顔に頭を下げる。彼は昔からウチに勤めてるドライバー兼使用人だ。
「おかえりなさいませ、Aお嬢様」
「ただいま!」
ドライバーに荷物を預け、幼い頃から乗りなれた黒塗りの車に乗り込む。さすがに座り心地も一等だ。
「おじさま? どうしたのよ、置いてっちゃうわよー」
「う、うるせぇ! 今乗るよ!」
毛利さんが乗車口でまごつくので、後続の蘭ちゃんとコナンくんが詰まっている。結局、二人で背中を押して乗り込ませていた。高級車の代名詞とされるリムジンはやはり目立つし、分からないでもないけど。
「……それで、どうして毛利さんたちを一緒に?」
「おじさまよ、次郎吉おじさま。ぜひ来てほしいって……蘭のお父さんと、このガキンチョにね」
がきんちょ? 園子の指さした先に目をやると、子供用のダッフルコートを脱いだコナンくんが私に向かってニコッと笑ってみせた。
……そういえば「コナン」って、どこかで聞いたような……?
「ほら、今回はキッド様が宝石を盗みに来るでしょ? だから、キッドキラーのガキンチョを家に連れてきてくれってさ!」
「アハハ……そんなんじゃないけど……」
「……ああ! コナンくんってキッドキラーの子か! 何回も宝石を取り返してるんだって? すごいよね、とても小学生とは思えないわ!」
「そ、それはたまたま……」
彼の表情はなんだかごまかし笑いのようだった。もしあの怪盗キッドと本当に渡り合っているのだとしたら、彼もきっとただの子どもではない。
怪盗キッド。あれほどの腕を持つ怪盗が協力してくれるなら心強いのに。
それにやはり、キッドも捜し物をしていた。
世間においては盗みを楽しむ愉快犯、あるいはエンターテイナーかのように扱われているが、「怪盗」はたぶんそのための手段にすぎない。
私と同じように。
私には協力者がいない。もし利害の一致から共犯関係を結ぶことができたのなら、人手が二倍になるのと同じことだ。
……腕のいい怪盗という点でなら、ぜひとも会ってみたい人は他にいたのだけれどね。
(……"あの人"……、今はどこで何をしているんだろう)
私が怪盗として憧れる"あの人"は、十八年前に忽然と姿を消した。それ以来見た者は一人としていない。
(いつか、昭和の女二十面相……【
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ほろにがクラゲ(プロフ) - 美桜琉さん» こちらこそ続編までありがとうございます!読んでくれる皆様のおかげです……!一生じゃなくていいのでまた着いてきてくださると嬉しいです(笑) (2019年9月28日 14時) (レス) id: 9807b016db (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - 本当に過去編を書いてくれるなんて、、、!ありがとうございます!!一生ついて行きます!笑 これからも更新頑張って下さい! (2019年9月25日 20時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2019年9月25日 18時