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(先手を取られた……!?)
急いで暗視ゴーグルを装着し、宝石の方向を重点的に辺りを見回す。そのとき、ショーケースのそばに妙な人影があるのに気がついた。
「3……」
会場に音声が響いた。音の出処はスピーカーのようだ。
「2……」
私は急いで人垣の後ろへ出た。
「1……」
独特の気配。背筋に悪寒が走る。ばっと顔を上げると、暗闇の中、ひとつの視線がワタシを射抜いていた。
照明が同時に点いた。突然明るくなったので観客は目が眩み、一瞬眼前の光景をぽかんとして見つめる。
パライバトルマリンのショーケースの上に立っていたのは、全身を白で固めた紳士のような洋装の怪盗だった。シルクハットにマント、スーツの中に着た青いシャツと赤いネクタイがアクセントになっている。
「
「どうやって現れたの!?」
「予告通りだ!」
会場は一斉に沸いた。マジックのような彼の登場に、誰も彼もが目を輝かせている。紛れ込んでいた警察は必死だが、人混みのせいでどうも上手くいかないようだ。
ワタシは戦慄した。なぜなら彼は、既にケースの中にあった宝石を手にしていたから。
彼は不敵な笑みを浮かべていた。紳士らしい、というよりマジシャンのような大仰な動作でひとつ礼をしてみせると、流暢な英語で大衆にこう演説した。
「
「───────
思わずワタシはそう声を上げた。人々はようやく気づいて振り返る。空色のカクテルドレスを見に纏い、なんだかよくわからない巨大な岩石の展示品に腰掛ける【怪盗ヴィオラ】の姿に。
「
「
私は押し寄せる観客に囲まれながら、初めて彼と相対した。国際的大怪盗、【怪盗キッド】と───────……
(……すごいな。身のこなしひとつ取ってもただものじゃない)
内心ひやりとしながらも、余裕の表情を保つ。憧れのあの人のように。
「やあ、キミが怪盗キッドかい? ずいぶんと白いんだね、鳩みたい」
冗談めかせて肩をすくめると、観客の中の数人が笑った。ほとんどはハラハラとワタシたちを見上げていたが。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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あずきいろ
ラッキーアルファベット
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ラッキー食べ物
すし
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ほろにがクラゲ(プロフ) - 美桜琉さん» こちらこそ続編までありがとうございます!読んでくれる皆様のおかげです……!一生じゃなくていいのでまた着いてきてくださると嬉しいです(笑) (2019年9月28日 14時) (レス) id: 9807b016db (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - 本当に過去編を書いてくれるなんて、、、!ありがとうございます!!一生ついて行きます!笑 これからも更新頑張って下さい! (2019年9月25日 20時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2019年9月25日 18時