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快斗の横を通り過ぎて去りかけたAが、突然ぴたりと足を止めた。言葉も途中のままで、思わず気になってその背を振り返る。
「……なんだよ？」
「あ、すっかり聞き忘れてた。説明してもらいたいことがあったんだった」
なんとなく声色からは抑揚が抜け落ちている。彼女のこういうときは、いいことが起きた試しがなかった。
「"名探偵"」
ぽつりとそう言う。快斗が聞き返す。
「名探偵？ ……あのガキのことか？」
「どっちだと思う？」
変わらず淡々としたままの口調で問い返されてしまった。背筋に悪寒が走る。
「快斗クンが言ったじゃない、あの高校生探偵のことを"名探偵"って」
「そ、そんなこと言ったっけぇ……？」
「それで気になって調べてみたらね」
振り返ったその表情は誰が見ても不機嫌だった。Aは冷静に声を落とす。
「江戸川コナンが現れた時期と工藤新一が消えた時期は完全に一致していて、行方不明でろくに連絡も取れない人間と唯一頻繁に連絡を取り合っている。そして小学生離れした推理力、洞察力、知識に判断力に言葉選び……どれをとっても結論はひとつ」
「だからなんのことだよ？ オレは……」
「工藤新一の変装をしたんでしょう？ 警視庁のヘリに同乗するときも」
Aは一息吐いて続けた。
「だからあなたは知ってた。……江戸川コナンの正体が工藤新一だってこと」
しん……と真昼の静寂が場に落ちた。ひとつ外の大通りから車の音や子どもたちの声が聞こえる。
それは一見馬鹿のような答え合わせだった。人一人が縮んで幼児化するなんてことがあれば、多方面に甚大な影響を及ぼす科学界の大事件になる。その上幼児化した本人がそのことを隠しているとなると、事情によってはどうしても後暗い話や危険な情報が着いてくる。
それでも知らずにはいられない。気づいてしまったから。
長く感じられた沈黙。しかしそのあと、快斗は手を頭の後ろに組むと気の抜けた声で言い放った。
「……さーな」
落ち着けていた心に波風が立つ。「さーなって……」誤魔化された、そう感じたAは苛立って数歩詰め寄った。
「どういうことなのか、知ってるんでしょ！」
「あいつの事情なんてちっとも知らねーよ。ただ、オレはオレの信じられるものを信じるだけだ」
「でも、ワタシは……！」
「んじゃ、本人にでもなんでも聞いてみろよ。あんたがそれを信じられるなら、それで納得すりゃいいじゃねーか」
放たれた言葉に、Aは黙って拳を握った。
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ほろにがクラゲ(プロフ) - 美桜琉さん» ありがとうございます！完結しました！よかったです、今回は特に私の自己満だったので、楽しんでくれてる人いるかなー？って心配で…ホントですか！過去編！か、書いてみようかな？？ (2019年9月22日 21時) (
レス) id: 9807b016db (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - 完結おめでとうこざいます！ほんっとに最高でした！！過去編マジで見たいです…！ (2019年9月22日 21時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - パシェロさん» ひゃあありがとうございますー！できるだけ映画に沿えるように…物語に夢主が埋もれるかもしれないんですが…(；´Д｀)今後も頑張ります！ (2019年9月7日 9時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
パシェロ(プロフ) - にゃんーーー！！（（^ω^ΞΞΞ^ω^））これが見たかったー！！映画風の夢小説見たかったんやー！ (2019年9月7日 8時) (レス) id: b9096b0156 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - バス停さん» 私必死に金ローしてました() 大丈夫ですかちゃんと画面観れました？ (2019年9月6日 23時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほろにがクラゲ
| 作成日時：2019年9月5日 16時
