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やたらとつっけんどんにそう言い放ち、ずんずんとエレベーターへ向かってしまう蘭。さすがの園子も困惑して「何が……?」と呟く。

(……おいおい、なんだよ……"あんな事"って)

気が気でないまま蘭の背中を見送る。蘭の態度も妙だし、気になって仕方がない。まさかあいつに手を出されたわけじゃないだろうな。ぐるぐると思考が渦巻く。

ふいに園子が「そういえば」と何かに気がついたように言った。

「さっき、キッド様と蘭の他にもう一人いなかった? 誰、あの人?」

「さあ……よく分からないけど……」

「……あれ? 何か落ちてるじゃない」

園子が拾い上げたのは、一般的な名刺サイズより一回り大きい紙片だった。白紙のそれを裏返してみると、何やら文字が書いてある。

「……んー? 何かしら、これ……」

「園子姉ちゃん、ボクにも見せて!」

「い、いいけど……キッド様のカードじゃないわよ? いつものマークも入ってないし」

「いいから!」

手渡されたカードには、ごく簡単な一文が真ん中に並んでいた。筆記体を模したフォント、マット系の塗工紙。確かにキッドのマークは入っていないが、代わりと言わんばかりに右下の隅には花のモチーフが描かれている。


​───────

Dear great detective(親愛なる名探偵へ)

​いずれまた、淡い月光のヴェールの下で。​

───────


カードの内容はたったそれだけ。そして最後に頭の文と同じように英文がこうあった。


​───────Viola the phantom thief


「怪盗……ヴィオラ……?」

名前の横に置かれた花のマークは、その特徴的な模様を捉えていた。黒い斑点が中央から放射状に。

(これは……パンジーの花? なるほど、それで"ヴィオラ"か……)

コナンはそれをポケットにしまいこむと、エレベーターの方へ歩き出した。怪盗ヴィオラ。怪盗キッドの相棒と言っていたが、果たして本当か。

……いや、そもそも奴はどこにいたんだ? キッドのように変装して潜り込んでいたのか? それとも飛行船クルーの誰かが……

「蘭ちゃん! コナンくん!」

真っ直ぐな声が耳に届き、顔を上げた。開いたエレベーターから降りてきたAが不思議そうな顔で三人を見ている。

「どうしたのみんな? 何かあった?」

その顔を見たとき、コナンの脳裏に蘇るものがあった。それはほんの少し前の記憶。

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ほろにがクラゲ(プロフ) - 美桜琉さん» ありがとうございます!完結しました!よかったです、今回は特に私の自己満だったので、楽しんでくれてる人いるかなー?って心配で…ホントですか!過去編!か、書いてみようかな?? (2019年9月22日 21時) (レス) id: 9807b016db (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - 完結おめでとうこざいます!ほんっとに最高でした!!過去編マジで見たいです…! (2019年9月22日 21時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - パシェロさん» ひゃあありがとうございますー!できるだけ映画に沿えるように…物語に夢主が埋もれるかもしれないんですが…(;´Д`)今後も頑張ります! (2019年9月7日 9時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
パシェロ(プロフ) - にゃんーーー!!((^ω^ΞΞΞ^ω^))これが見たかったー!!映画風の夢小説見たかったんやー! (2019年9月7日 8時) (レス) id: b9096b0156 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - バス停さん» 私必死に金ローしてました() 大丈夫ですかちゃんと画面観れました? (2019年9月6日 23時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2019年9月5日 16時

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