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まあ、身軽さなら負けないけど。妙な対抗心を密かに燃やし、柵を乗り越えて細い骨組みの鉄骨に足を掛けた。

随分な高さだった。それでも高いところは得意のものだ、何せ私は​──────……。

…………



コナンが三つ目の爆弾を解体するのを歩美たち三人が見守る頃、排気管の裏を覗き込んだAが最後の爆弾を見付けた。

その場で携帯電話を取り出して耳に当てる。

「あったよ、コナンくん! 排気管の裏」

『了解! ちょうど他のが終わったからすぐに……、……みんな隠れろ!』

電話口のコナンが突然焦った様子で叫ぶ。Aも思わず上方を見回すと、エレベーターの光がスカイデッキの方へと登っていくのが見えた。

「……何? 誰が乗ってたの?」

『次郎吉さんと、犯人のリーダー……』

「!」

『たぶん、宝石を取りに行かせるんだ……とにかく今そっちに向かうから! ……いいか、オメーらはここで待ってろ!』

……なんだか、嫌な予感がする。

「……私がやる」

『え?』

「胸騒ぎがするの。今は悠長にしてられない」

この爆弾は厄介なところにある。タンク横の足場から大人が腕を伸ばして貼るような位置だ、小学一年生のコナンに届くだろうか。

「機械工学に強い友達がいるんだ、向こうでいろいろと習った。指示を出してくれる? 動き回りすぎるのも得策じゃないはずよ」

『……分かった』

そばの通路の骨組みに降り立ってガムテープで固定された爆弾に手を伸ばす。落とさないよう慎重に剥がし、足場に置いた。

表面の蓋は指で引っ掛けるとすぐに外れ、数色のコードと爆弾の仕掛けが顔を出した。

『構造は単純、トラップは無し。雷管に通電するコードを切るだけでいい。この爆弾だと……』

「ブルーとイエロー、この二本だけね」

『切るものは持ってる?』

「問題ないわ」

カード型多機能ナイフの刃を繰り出し、二本のコードに当てる。微かに鼓動が高鳴り、ナイフを握り直す。手前に腕を引けばコードはあっけなく千切れ、赤いランプは消灯した。

「……Yes(よし)、解除したわ。今そっちに……」

ガラン、と大きな音がスピーカーから響いた。

「コナンくん? ……コナンくん!」

ナイフをウエストポーチにしまい、呼びかけながら柵を飛び越えて通路に戻った。顔を上げたその瞬間、信じられないものを目にする。

銃を突き付けられ、怯える子どもたち。コナンは三人と銃の間に立ち神妙な顔つきで『赤いシャム猫』と相対するAを見つめた。

Ep.4 窓の外→←.



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ほろにがクラゲ(プロフ) - 美桜琉さん» ありがとうございます!完結しました!よかったです、今回は特に私の自己満だったので、楽しんでくれてる人いるかなー?って心配で…ホントですか!過去編!か、書いてみようかな?? (2019年9月22日 21時) (レス) id: 9807b016db (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - 完結おめでとうこざいます!ほんっとに最高でした!!過去編マジで見たいです…! (2019年9月22日 21時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - パシェロさん» ひゃあありがとうございますー!できるだけ映画に沿えるように…物語に夢主が埋もれるかもしれないんですが…(;´Д`)今後も頑張ります! (2019年9月7日 9時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
パシェロ(プロフ) - にゃんーーー!!((^ω^ΞΞΞ^ω^))これが見たかったー!!映画風の夢小説見たかったんやー! (2019年9月7日 8時) (レス) id: b9096b0156 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - バス停さん» 私必死に金ローしてました() 大丈夫ですかちゃんと画面観れました? (2019年9月6日 23時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほろにがクラゲ | 作成日時:2019年9月5日 16時

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