Ep.1 ベル・ツリー1世号 ページ2
ベル・ツリー1世号。鈴木財閥が建造した世界最大級の飛行船は、宝石と乗客を乗せて空高くへと舞い上がったところだった。
東京の街並みが眼下に広がり、都会の高いビルの屋上を眺め渡す絶景に、招待客である子供たち──────元太、光彦、歩美は一斉にわぁっと湧き上がった。
「トロピカルランドだ！」
「お城が小さく見えますね！」
「オモチャの遊園地みたーい！」
Aも子供たちの後ろから飛行船の窓を覗き込み、妹である園子と顔を見合わせて笑った。
「すごいねぇ、飛行機とはまた違った良さがあるよ」
「お父さん、すごい景色だよ！」
園子の友人、蘭は離れたところで窓に背を向けて座る毛利小五郎に声をかける。しかし小五郎は重度の高所恐怖症。飛行船からの景色などもってのほかだった。
夢中で街を眺めていた歩美が思いついたように言う。
「ねえ、キッドさんはいつもこんな景色見てるのかなぁ？」
光彦が「羨ましいですね！」と相槌を打つ。元太は疑わしげに、「でもよぉ」と園子を見上げた。
「キッド、本当に来んのか？」
「来るわよ！ 次郎吉おじさまのところに、ちゃーんと返事が来たんだから！ 姉貴にも送ったでしょ？」
「ああ、そうね。ええと……これこれ」
携帯電話を操作して、一枚の画像を表示する。
「本当に"返事"だったみたいよ。『飛行船へのご招待、喜んでお受けします……ただし、72歳のご高齢の貴方に6時間も緊張状態を強いるのは忍びなく……。夕方、飛行船が大阪市上空に入ってから頂きに参ります』」
「『それまでは、存分に遊覧飛行をお楽しみください』……怪盗キッド。ああ、私のことも頂きに来てくれないかしら！」
そう色めきたって自分の世界に入る園子に、姉であるAも仕方がないとため息をついてわざとらしく両手を広げた。
ふと、子供たちの保護者として招待された阿笠博士の後ろで、江戸川コナンと灰原哀が何か話しているのに気が付く。彼らも元太たちと同じ学年の子どもだが、Aはとある理由からコナンには多少の苦手意識を持っていた。
(……彼、キッドとは何かと因縁があるみたいだし……)
小学生であるはずのコナンだが、やけに頭が切れるのだ。時には誰も思い付かないような筋道をいとも簡単に弾き出す。それはいっそ、恐ろしい程に……
「そういえば、Aさんってどうしてアメリカから戻ってきたの？」
丁度考えごとをしている時に当人から声をかけられ、内心少し動揺した。いけない、平常心。平常心だ。
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ほろにがクラゲ(プロフ) - 美桜琉さん» ありがとうございます！完結しました！よかったです、今回は特に私の自己満だったので、楽しんでくれてる人いるかなー？って心配で…ホントですか！過去編！か、書いてみようかな？？ (2019年9月22日 21時) (
レス) id: 9807b016db (このIDを非表示/違反報告)
美桜琉(プロフ) - 完結おめでとうこざいます！ほんっとに最高でした！！過去編マジで見たいです…！ (2019年9月22日 21時) (レス) id: 95c48d4791 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - パシェロさん» ひゃあありがとうございますー！できるだけ映画に沿えるように…物語に夢主が埋もれるかもしれないんですが…(；´Д｀)今後も頑張ります！ (2019年9月7日 9時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
パシェロ(プロフ) - にゃんーーー！！（（^ω^ΞΞΞ^ω^））これが見たかったー！！映画風の夢小説見たかったんやー！ (2019年9月7日 8時) (レス) id: b9096b0156 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - バス停さん» 私必死に金ローしてました() 大丈夫ですかちゃんと画面観れました？ (2019年9月6日 23時) (レス) id: ad5934c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほろにがクラゲ
| 作成日時：2019年9月5日 16時
