こんなのまるで ページ35
目の前で、可愛がっていた後輩が死神に惹かれていく。
見飽きた光景ではないか。
しかし、床を引っ掻き過ぎたのか全て剥がれた指の爪は痛々しく、呆然と立ち尽くす自分に腹が立った。
これは記憶だ、分かっている。
それでも、
これはあんまりじゃないか。
五感は私のものなのだ、なのにコントロールは効かない。
どうして、目の前にいる苦しんでいる彼女を助けることが出来ない。
こんなの、こんなのまるで
____拷問じゃないか。
私は、エリヤの言葉を無視し冷酷にも部屋を去っていくＡに一瞬殺意を覚えた。
｢エリヤ……｣
しかし、今はエリヤが優先だ。
静かにしゃがみこむ。
足のホルダーにかかる銃を手にすると、
彼女の背中の丁度心臓がある位置に向けた。
｢殺……して……ください……｣
｢……えぇ、今楽にするから……!!｣
震える指をゆっくりとトリガーに引っ掛ける。
｢私……私は……役に……立てました……か？｣
｢……!!えぇ、えぇ、だから、もう
ゆっくり休みなさい｣
エリヤは、ふと、痛みを受け入れるように床を引っ掻く動きをやめ、私を見て、
元気な時と同じ目で私に微笑んだ。
｢………っ!!｣
私は背中から彼女の心臓目掛けて銃弾を撃ち込んだ。
苦しまぬよう2発。
銃口から発した閃光と破裂音が、
私の嗚咽をかき消した。
今の私は、発狂寸前であった。
Ａ、Ａ！Ａ！！
今の私に身体の操作権が声帯だけでもあったなら喉が裂け血が出ようと憎々しげに彼の名を叫んだだろう。
それでも、記憶の私は言葉も、吐息の音すら出さず、フラフラとエリヤを背に扉の外へと向かっていた。
涙は流さなかった、いや、流せなかった。
銃の反動が、まだ手にビリビリと残っているような気がした。
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怒らないで委員会会長mAKA(プロフ) - 紅夜赤猫さん» ひぇっ見つけていただきありがとうございます……！ご期待に添えればいいのですが……！こちらも好きです！！(！？！？) (2020年6月14日 7時) (
レス) id: a3e985f800 (このIDを非表示/違反報告)
紅夜赤猫(プロフ) - ないだろうな.......とか思いながら探してたら神を見つけました。称えます。ゆっくり読ませていただきます。好きです（？） (2020年6月13日 22時) (レス) id: 65e183dcbc (このIDを非表示/違反報告)
ねこねここねこ(プロフ) - 怒らないで委員会会長mAKAさん» いえいえ、暗い雰囲気だから好きと言うわけではないから全然大丈夫ですよ！！頑張ってください！！！(こちら返信不要です！) (2019年10月26日 11時) (レス) id: 8dfe7db7a7 (このIDを非表示/違反報告)
怒らないで委員会会長mAKA(プロフ) - テンパりすぎて文章が可笑しくなってしまった……すみません (2019年10月26日 8時) (レス) id: 970d62df08 (このIDを非表示/違反報告)
怒らないで委員会会長mAKA(プロフ) - ねこねここねこさん» ありがとうございます……!!恐らくヒロアカ編では明るい雰囲気にするつもりなので、もしかしたらご期待に添えないかもしれませんがこれからも頑張りますのでお願い致します (2019年10月26日 8時) (レス) id: 970d62df08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怒らないで委員会会長mAKA | 作成日時：2019年10月8日 17時
