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「で、どんな関係なん」
別に興味があるわけではないだろうに。
「ど、どんな関係でもないよ?」
「そぉなんや、なんか仲よさそうな雰囲気だったから」
みんなに向けるにっこり笑顔をみせた松尾君につられて、とりあえずえへっと不器用に笑っておいた。
「先輩は人と付き合ったこととかあるん?」
「あるよ、私にだって」
ふぅん、ってやっぱり興味なさそう。
「それより今日当番?」
「図書室ね、そうだよ」
そして予鈴がなり、終わったはずの今日の松尾君。
しかし放課後図書室にいくと松尾君がいた。
「探してる本があるんやけど、わからなくて」
「なんて本?」
「リストアップしておいた」
メモをもらって見てみるとびっしりと参考書が書かれている。
ひとつひとつ集めて手が痛くなってきたと同時に、やっと「いやこれぱしられてる」と気付いた。
怒りながら松尾君のところに行くと、松尾君はノートに伏せて夢の世界だった。
「……夢に逃げられた」
メモに書かれた本を置いてカウンター内の椅子に腰掛ける。
放課後に図書室に来る人は少ない。
尚も眠っている松尾君と傍らにおいた本を眺める。
松尾君と参考書。
なんか引っかかる、その原因はなんでもサラリとこなす松尾君に似合わない参考書だ。
料理は……あれだったけど。
才色兼備の松尾君は努力家なのかもしれない。
全てにおいて完璧といわれる松尾君は努力の賜物であって。
それはもしかしたら、周りが勝手に作り上げた松尾君になるために……
「松尾君、もう閉めるよ」
下校時刻ギリギリまで眠った松尾君をゆすって起こす。
「……うそぉ、」
のっそりと身体を起こし目をこする。
全て借りていくとのことで、さすがに重いだろうと数冊自転車まで運ぶのを手伝った。
「送ってくわ」
また恐る恐る荷台に跨る。
やっぱり慣れないな、松尾君だと。
「今日は前も重い〜」
……一言多いのはだいぶ慣れた。
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5 - 続きが気になります!! (2020年4月24日 1時) (レス) id: e2f7b4b683 (このIDを非表示/違反報告)
あ - もう更新はなさらないのでしょうか?( ; ; ) (2020年2月5日 4時) (レス) id: 69e88fbea1 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 続きが楽しみです!更新楽しみにしてます〜(^ ^) (2019年1月16日 19時) (レス) id: 7620beece4 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - すごく面白かったので更新楽しみにしてます! (2018年12月24日 12時) (レス) id: 1ea4876c06 (このIDを非表示/違反報告)
かいら(プロフ) - 面白かったです!更新頑張ってくださいー (2018年6月18日 13時) (レス) id: f9d0a6bd90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:plum ne | 作成日時:2016年11月3日 23時