留学から帰って早々人質になりました。2 (ページ7)

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やっと僅かな隙間が見えた。俺はさくらに先に行くように伝えた。そして、さくらの後を追うように次々に俺やみんなが屋上に向かう。

屋上に着くと今にも落ちそうな先生とその手を離さずにずっと掴んでいるさくらの姿があった。しかしさくらにも限界が･･･

俺は走って2人の所に向かう。間に合え、あと少し･･･あと少しだ。そして俺は･･･先生の手を掴むことが出来た。

｢良かったな先生。正夢にならなくってよ｣

柊｢フッ･･･｣

そしてさくら横から甲斐が手を伸ばし先生の手を掴む。

甲斐｢死なせてたまるかよ！！｣

そしてみんな先生の手や服を掴み一斉に引き上げる。そして無事に引き上げられた先生はさくらに聞いた。

柊｢茅野、お前に聞く。お前は本当に景山の手を離したのか？楽になると思って･･･その手を離したのか？｣

さくら｢違います。私は澪奈に･･･生きて欲しかった。だからその手を離したくなくって･･･必死に掴んで｣

柊｢な？そうだろ。お前は離さなかったんだよ。この小さな手で最後まで精一杯景山を救おうとしたんだよ。だからもう･･･自分を責めるな。いいな？｣

さくら｢はい｣

そして先生は優しくさくらを抱きしめ背中を擦りながらよく頑張ったと伝えた。その言葉を聞いたさくらは今まで溜まっていたものが溢れ出した。そして先生は腰を掛けた。

柊｢これで本当に俺の授業は終わりだ｣

香帆｢もしかしてさくらの心を救うために？｣

甲斐｢眼鏡を外したら信じるな･･･｣

瀬尾｢死ぬつもりじゃなかったってことか｣

｢まぁ、どっちにしても俺達は助けるからな。先生｣

そして先生は優しく微笑み、俺達に背を向け死ぬのは怖いなと呟いた。そして遅れて郡司さんが到着し先生の手に手錠をかける。

｢さくら、立てるか？｣

俺は座り込んでる彼女に手を差し伸べた。彼女はその手をギュッと掴みゆっくりと立ち上がる。

郡司｢さぁ、行こうか｣

先生は郡司さんに連れられ下に向かう。そして俺らも急いでその後を追う。